扉が開くたびに振り返る、
何度このバーのカウンターから扉をみただろうか。
下北沢駅から少し歩く、待ち合わせのバー。
20代前半の女の子にはかなり背伸びが必要なバーだった。
マスターの優しい笑顔のおかげで、一人でその分厚いカウンターで待つことができた。
もちろん誰にでも笑顔を振りまくタイプの人柄でない、何年も彼女のその様子を見ていたし、何より遅れて来店する彼と気が合い、カウンター越しで色々な話しを語っていた。
そして、彼女は今夜も彼を待っていた。
待ち合わせの時間より悠に1時間を超えていた。
アペリフでオーダーした、キールもグラスの底が見えていた。
キールもこのバーで始めて出してもらった彼女のお気に入りのカクテルだった。
カシスを割る白ワインは、香り高いシャルドネだった。
まだ、いらっしゃいませんね、
よかったら、赤ワインご馳走いたしますよ。
と、彼女の前にリーデルのボルドーグラスを差し出した。
イタリア バローロ1985年です。待ったからこそ、味わえる芳醇さです。
彼女はまずその大きなグラスにそっと鼻を近づけてだ。柔な香りだ。さらにグラスを回し、一口味わう。
いままでに飲んだこのない味わい。ワインの色は濃すぎい穏やかなルビーだったが、
立ち上がる香りと味わいは素晴らしかった。
熟成して、待ってからこそ味。感動だった。
年月を経て醸し出される香りに酔いだしたころ、
扉が開いた。すぐに大好きな彼と分かった。
振り返らなくても彼の開ける音はわかる。
ごめんね、遅くなっちゃった。
そう言って慣れたてつきて、カウンターの椅子を引き彼女の横に、座った。
赤ワイン?飲んでるの?どんなワイン!?
彼女は笑って、待つことが好きになるワインだよ。
マスターは少し会釈して、彼にいつものドライシェリーを出して
後ろ向きになった。
それからが、二人の時間。マスターが後ろを向いたら
キスをする。
今夜はゆっくりまった分、芳醇な時間になりそうだ。
次回の待ち合わせまで、また若い彼女は熟成を重ねて大人になる。
何度このバーのカウンターから扉をみただろうか。
下北沢駅から少し歩く、待ち合わせのバー。
20代前半の女の子にはかなり背伸びが必要なバーだった。
マスターの優しい笑顔のおかげで、一人でその分厚いカウンターで待つことができた。
もちろん誰にでも笑顔を振りまくタイプの人柄でない、何年も彼女のその様子を見ていたし、何より遅れて来店する彼と気が合い、カウンター越しで色々な話しを語っていた。
そして、彼女は今夜も彼を待っていた。
待ち合わせの時間より悠に1時間を超えていた。
アペリフでオーダーした、キールもグラスの底が見えていた。
キールもこのバーで始めて出してもらった彼女のお気に入りのカクテルだった。
カシスを割る白ワインは、香り高いシャルドネだった。
まだ、いらっしゃいませんね、
よかったら、赤ワインご馳走いたしますよ。
と、彼女の前にリーデルのボルドーグラスを差し出した。
イタリア バローロ1985年です。待ったからこそ、味わえる芳醇さです。
彼女はまずその大きなグラスにそっと鼻を近づけてだ。柔な香りだ。さらにグラスを回し、一口味わう。
いままでに飲んだこのない味わい。ワインの色は濃すぎい穏やかなルビーだったが、
立ち上がる香りと味わいは素晴らしかった。
熟成して、待ってからこそ味。感動だった。
年月を経て醸し出される香りに酔いだしたころ、
扉が開いた。すぐに大好きな彼と分かった。
振り返らなくても彼の開ける音はわかる。
ごめんね、遅くなっちゃった。
そう言って慣れたてつきて、カウンターの椅子を引き彼女の横に、座った。
赤ワイン?飲んでるの?どんなワイン!?
彼女は笑って、待つことが好きになるワインだよ。
マスターは少し会釈して、彼にいつものドライシェリーを出して
後ろ向きになった。
それからが、二人の時間。マスターが後ろを向いたら
キスをする。
今夜はゆっくりまった分、芳醇な時間になりそうだ。
次回の待ち合わせまで、また若い彼女は熟成を重ねて大人になる。