エスプレッソマシンレビュー第4回[デロンギ TC405-100J]
デロンギの業務用(セミコマーシャル)エスプレッソマシン、TC405-100J。
業務用のスペックと堅牢性を持ちながら、水の供給がタンク式であるため個人で使う人も少なからずいるマシンである。
デュアルボイラー、3方向バルブ、ホットウォーターノズルを備える。
(※本来このマシンにはミルクフォーマー機能が付いているが、筆者は使わないので取り外してある)
・ミルクフォーマー機能→チューブの先端を牛乳パックに差込み、左側のスチームバルブを回せば特別なテクニックを使わなくてもきめの細かいフォームミルクが瞬時に抽出できるという機能。泡の温度やかたさも調整できる。ミルクフォーマーの簡易洗浄機能も装備している。
側面観。
重量は15kg。
手前にカップウォーマー(受動的)を備える。
カップウォーマーはエスプレッソカップなら約8個、カプチーノカップなら約3個を置くことができる大きさ。
チューブが3本あり、左奥と右側が揚水チューブ。左手前が排水チューブ。
水のカルシウムを除去して、マシンの寿命を伸ばすためにイオン交換式フィルターの使用が推奨されている。
イオン交換式フィルターの交換目安は1500杯に1度。
ちなみにイオン交換式フィルターのコストは4個セットで2900円。
天板はネジ4本で留めているだけなので、簡単にアクセスできる。
フィルターバスケットはC型スプリングで固定される。
厚みのある金属で保温性に優れる。
真ん中のもので373g。
タンパーはノギス計測で直径57.0mmのものがジャストサイズだった(オーダーメイドされる方はご自身による再計測を)。
5℃→65℃試験は28秒と、PD-1より19秒も速かった。
スチーミング前に150ccだった水はスチーミング後に180ccとなっており、スチームはかなりドライと言えるだろう。
スチームの噴出角度も丁度良い。
右側に付いているバルブはスチームバルブだが、マシンの上面や左右に付いているバルブよりもこの位置の方がかなり使いやすい。このバルブは回転も軽く、非常に操作しやすい。
一つ欲を言えば、業務用マシンなのでもう少しスチームワンドが長ければ良いと思う。300ccクラスのピッチャーなら個人的には問題にならないが、500ccクラス以上のピッチャーを使う時に底ギリギリまでワンド先端を持っていきたいオペレーターの場合は問題があるかもしれない。メプラの550ccのミルクピッチャー(ベースあり)を使ってみると、ピッチャーをどう動かしてもワンド先端が底から2cm位上までしか届かなかった。
全体に重厚な金属製で、保温性は下位ランクの家庭用マシンとは比較にならないほど良好。
左にあるのがホットウォーターノズル。
カップ受けは溝の部分を山型に曲げているので水はけはとても良い。
左奥に見える水抜き弁から、3方向バルブによって開放された残圧と水分が排出される。
スイッチは上段が右から「メインスイッチ」「水残量不足警告ランプ」「エスプレッソOKランプ」「スチームOKランプ」「給湯スイッチ」。
下段は左から「1杯どり抽出スイッチ(プログラム1)」「1杯どり抽出スイッチ(プログラム2)」「2杯どり抽出スイッチ(プログラム1)」「2杯どり抽出スイッチ(プログラム2)」「プログラム設定スイッチ」「パイロットランプ」である。
このマシンは定量設定が可能。定量設定する際は・・・・
①通常の抽出通りにポルタフィルターをセットする。
②プログラム設定スイッチを、パイロットランプが点滅するまで約4秒押し続ける。
③パイロットランプ点滅後5秒以内に定量設定したいスイッチを押して抽出を始める。
④同じ抽出スイッチを押して、設定したい抽出量で抽出を止める。 これで設定完了。
ただしこの機能はパウダーの量、メッシュ、タンピング圧が変わると抽出量も変わってしまうので、常に3条件を同じようにコントロールできる熟練者でない場合は使わないほうがいい。
マニュアルで抽出量を決める場合は、プログラム設定スイッチで抽出開始、停止を行う。
立ち上がりの時間に関しては、テスト時はメインスイッチON→抽出OKまでが2分27秒、メインスイッチON→スチームOKまでが9分01秒だった。
家庭用機に比べれば時間はかかるが、業務用マシンは電源を入れっぱなしにするのが普通なので本来の用途としては問題ない。
カップを急速に温めたい場合や、紅茶等のドリンクを作る際に重宝する。
抽出後。(グラインダーはベゼラBB004、豆は自家焙煎後1日経過)(ミルクピッチャーはALESSIの350ml)
抽出温度は電子制御で約90℃にコントロールされる。
抽出時の音量は騒音計による計測で66.5dB程度。比較的静音性に優れている事が分かる。
このマシンは3方向バルブを搭載しているので、エスプレッソ抽出後に間髪いれずポルタフィルターを外してノックボックスに叩きつけても、出がらしはケーキ状にしっかり固まって外れ、フィルターバスケットには出がらしが付かない状態になるのでストレスが少なくてすむ。
<デロンギ TC405-100J>スペック (ブログ管理人調べ)
●メーカー : デロンギ(DeLonghi)
●品番 : TC405-100J
●分類 : セミオートマチック
●320×320×390mm
●コード長 : 1.5m(実測)
●重量 : 15kg
●消費電力 :1100W
●パウダー使用 : 可
●POD使用 : 不可
●水位計 : 有(水残量不足警告ランプ)
●着脱式ウォータータンク : 有 (容量5L)
●着脱式ドリップトレー : 有 {容量1L(実測)}
●カップウォーマー : 有
●3方向バルブ : 有
●熱交換器 : 無
●デュアルボイラー : 有
●給湯機能 : 有
●C型スプリングによるフィルターバスケットの固定 : 有
●エスプレッソ抽出能力 : 80杯/時間(30cc/1杯どり) 120杯/時間(30cc/2杯どり)
●ミルクフォーマー機能 (このレビューに使用したマシンでは撤去してある)
- 現在ではこのTC405-100Jは終売しているようだが、現在でも販売されているデロンギの業務用マシンは↓のSM0102のようなポッド式マシンがメインになっているようである。
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