本日のリート市場は下げてます。
日経平均も現時点で100円超さげていますが、
リートも同じような動きをしています。
大型銘柄で2%前後(前日比)の下げになっています。
その他リート情報はこちらです→
基準地価が発表され
地価の上昇するエリアもみられました。
ところでこのような地価の上昇の発表は、Jリートにどれくらい
影響するでしょうか?
地価の上昇の発表は「過去」の時点の
ものが発表されます。
その意味で、Jリート価格には織り込み済みの
部分が多く反応は大きくなりません。
地価の上昇という意見の発表よりも
Jリートなどが実際に不動産を購入する額のほうが
時間的にはさきになります。
もっといいますと、不動産の価格が上昇する前に
Jリートの投資口価格のほうが先に上昇する傾向が
あります。
Jリート価格の上昇→実際の価格の上昇→地価「上昇」の意見
といったイメージになります。
東京オリンピック決定で
Jリート価格が一時上昇しました。
全体の分配金利回りも4%
を切る水準になっています。
先日お話しましたが、この分配金利回りの低下には
「良い」低下と「悪い」低下があります。
東京オリンピックでの利回り低下はもちろん「良い」
低下です。
分配金利回りは、
予想分配金÷投資口価格(Jリート価格)
で計算されます。
(詳しくは以前の記事をごらんいただけると
うれしいです。)
この関係で利回り低下がおきるのは、
①投資口価格が上昇
②予想分配金が下落
のときです。
①のときは、「良い」利回りの低下
②のときは、「悪い」利回りの低下
になります。
②のときの利回り低下が「悪い」低下
なのは、分配金が下がってしまうからです。
例えば、Jリートがもっているビルに
空室がでしてしまった。。もっているビルを売った
ら損がでてしまった。。などの原因が考えられます。
特に08年以降(リーマンショック後)にはもっている
ビルを損になるのはわかってても売らなくてならなかた
り、賃料がさがったりで、分配金が減るリートがでてきてしまいました。
とはいえ、そういった悪い利回り低下は一時的なことが多いです。
配当がさがると、みなさんが失望してそのリートの人気がなくなります。
そうすると、リート価格が下がって、また利回りが少し上昇
するからです。
ですから利回りが高いリート銘柄は魅力的にみえるのですが、
注意が必要です。単に他の投資家のみなさんが失望して、
今後に期待していないだけかもしれないからです。
それでは、①の「良い」利回り低下はどういうときに
起きるのでしょうか?
こちらについては次回に
ぜひみなさんと一緒に考えてみたいと思います。
本日のJリート(REIT)の前場は
全体的に上昇しています。
FOMCがQE3を維持することを
決めたことが影響しています。
(QE3というのは、3回目の量的緩和
のことで、世の中にお金をいっぱい
流すイメージになります。2012年9月から
1年程続いています。日本でも4月
からQQEをはじめました。)
多くの方がQE3の「縮小」
を予想していましたので
サプライズになったようです。
これによってダウは150ドルほどあがり
高値を更新しました。
日経平均も上昇しています。
でも、なぜ米国のQE3とJリート(REIT)がつながるの
でしょうか?
これには、理由はいくつかありますが、
外国人投資家さんの影響が大きいです。
世の中にお金がいっぱいになりますと
投資にまわります。これからも「緩和される」
という期待は、リスク「オン」とよばれる積極
的な投資態度を招くことになります。
Jリートの売買で活発に取引しているのは
外国人投資家さんですので、そのリスク
「オン」や「オフ」の状態がリート価格に
でやすくなってしまうのです。
米国のセンチメントがJリートに影響してしまうのは、
その影響が大きいです。
(ただ、よく部門別の売買動向などの統計で
つかわれる「外国人投資家」さんのなかには、
日本人が単に海外のトレーディング室から
注文を出している場合も含まれています。
純粋な「外国人」ではないことには
注意が必要です。)
今はつづいているQE3、そして日銀さんの
QQEですが、これはいつかは終わりがきます。
今は、「お祭り」のような状態ですが、
祭りのあとにどうなるか?
想像しながら慎重に投資したほうがよさそうですね。
リートの配当を上げるには持っている
ビルなどの賃料を上げる必要があります。
この賃料をあげるのにオリンピックが
間接的に効果があることをお話ししました。
ですが、実は、東京オリンピックが決定する
前から特に東京Aクラスビル(グレードが高く
人気があるビル)の空室率は大きく改善傾向
にあります。
Jリート(J-REIT)はAクラスビルを多く持っている
わけではありません。その多くは、Bクラス(普通)のビルです。
ですから、このようなAクラスビルの改善がすぐに
Jリートの賃料の上昇や配当の上昇につながるわけでは
ありません。
ただ、過去の傾向をみると、Aクラスビルの回復のあと
にBクラスビルの回復が続きます。
Aクラスビルの空室回復→Aクラスビルの賃料回復
→Bクラスビルの空室回復→Bクラスビルの賃料回復
といったシナリオになります。
このようになれば、Jリート(オフィス)の将来の配当に
プラスの効果があります。
オフィスの賃料が決まる市場は、一定のサイクルで
動いています。オリンピックが決まったことでそのサイクル
がすこし早まる可能性はありますが、そのサイクルをかえ
る原因になったわけではありません。
市場が回復していたところにオリンピックがきまった
ことで回復が早まりそうです。
昨日は、東京オリンピックのホテルリートへの影響を
お話いたしました。
今回は、オフィス系リートについて考えたいと思います。
オフィスについてもオリンピックはいい影響があります。
どの点にいいかといいますと、主にオフィス系リート
の将来の配当のプラスになる可能性があるからです。
オフィス系リートの配当のもとになるのは、
それぞれのリートが持っているオフィスの賃料(家賃)です。
この賃料が増えると、配当が増える傾向にあります。
(厳密には、賃料から費用を引いたNOIと呼ばれるもの
から、運用会社の手数料や金利などを引いた額が
配当にまわります。)
配当が増えるというのは、
投資家さんにとってはうれしい情報ですね。
賃料が増えるには、2つの要因があります。
①賃料の単価があがる(オフィスを貸すときの値段があがる)
②空室率が下がる(オフィスの空きフロアがなくなる)
ことです。
この①と②は、相互に影響があるので、実際には
どちらか一方だけが動くものではありませんが
先に空室率よくなり、そのあと賃料があがるという
関係にあります。
さて、ここでオリンピックのお話です。
東京でオリンピックがありますとどうなるか。
景気が上向きになります。
実際に上向きになるかは別としましても
少なくとも期待が上向きになります。
景気(期待)が上向きになると
オフィスの需要が増える傾向にあります。
企業の業績があがり、事業を「拡張」
したり、人を増やしたりするからです。
簡単にシナリオをお話しますと、
景気アップ→需要アップ→空室ダウン
→賃料アップ→配当アップ
という関係になります。
ですから特に東京近郊に多くのオフィスを
持っているリートには東京オリンピックは
プラスの情報になります。
オリンピックでマインドはよくなりました。
ただ、Jリートの動きをみると若干の
上昇にとどまっています。
東京オリンピック決定前にすでに
ある程度株価(投資口価格)に織り込まれて
いたようです。
さて、このオリンピックの決定でホテル
リートが相対的に上昇がおおきかったです。
特に、東京近辺に多くホテルを持っているリートが
好調でした。
その理由の一つは、観光客数が増えれば収益
が増加するからです。ただ、リートがその収益の
恩恵をすべて得られるかというと
そうでもありません。
たしかに、観光客数が増えるとホテルの売上
が増えます。
でも、この増加率でリートへの賃料が同じ比率
で増えるかというとそうでもないのです。
なぜかというと、
ホテルの売上のうちどれくらいを賃料として支払う
かは「契約」によってきまっているからです。
この「契約」で
賃料を固定してしまっているばあいには、
売り上げがあがっても賃料は変わりません。
賃料が変わらないと投資家さんへの分配金
も増えません。
不況の時には固定のほうが有利なのですが、
好況のときは、変動のほうが有利となります。
リートとホテル運営側の「契約」がどうなっているか。
「固定」と「変動」の割合がどうなっているか
を調べておく必要があります。