===> むりくり 意味 <=== みなさんは「むりくり」という言葉を聞いたことはありますか。「むりくり」とは、「無理やり」と同様の意味で使われる会話表現で、無理に何かを行うことを意味します。元々は、北海道から青森にかけて「無理やり」の意味で使われる方言ですが、ほかのエリアで使われる「むりくり」もここからきているのか、それとも別の流れからきているものなにかは不明です。また、「むりくり」には「無理やり」との意味の違いはあるのでしょうか。「むりくり」の意味には、以下の3つの意義素があります。一つは「難しいことをわかった上で無理に押し通すさま」、二つ目は「本人の意思を無視して強引に何かをさせるさま」、そして三つめは「相手の意向を無視して、物事を行うさま」です。この三つの意義素からも分かる通り、「むりくり」は「無理やり」と同じ意味で使われていることがわかります。「無理やり」とは、無理に行うことです。強いて行うことを指します。そして「むりくり」もまた、同様の意味で使われているため両者に意味の違いはないです。しかし「むりくり」は、元々北海道から青森にかけて使われる表現であり、「無理やり」の方言であることからも、「無理やり」との意味の違いがないこともわかります。また、むりくりには「無理やり」の方言であるということの他に造語としての「むりくり」があります。これについては後述しますが、「無理やり」と「やりくり」が組み合わされたものであり、「無理やり」とは少し違うニュアンスが含まれます。では、まず造語としての「むりくり」ではなく、方言としての「むりくり」についてご紹介していきます。「むりくり」はどこの方言なのでしょうか。北海道や東北の方言であるという説もありますが、あなたの地域でも使われていますか。「むりくり」は、北海道、東北地方発祥の方言だという説があります。北海道、東北方言としての「むりくり」は、単に「無理やり」の方言であって、何かが組み合わさってできた造語のような組み立てられ方ではないです。北海道方言は、様々な地域の影響を受けているため、他の地域と同様のものも多いのですが、北海道表現の中で「むりくり」が紹介されています。漢字をあてるならば「無理苦理」が考えられます。北海道では「むりっくり」や「むりしゃり」などとも言われ、例文はこの通りです。「むりっくりいれようとするから壊れるんだ」「荷物をむりくり詰めろ」「今日は用事あるから、仕事むりしゃり終わらせた」等々です。北海道民のみなさん、このような表現は使いますか。北海道では「むりくり」が「無理やり」の方言として使われています。鹿児島などの九州地方の地域でも「むりくり」という言葉は使われます。方言集圏論に従うならば、「むりくり」は京都から同心円状に北は東北、南は九州に伝播したという説も考えられます。だとすると、「むりくり」は京ことばを語源とする方言とも考えることができます。「むりくり」は関西でも使われています。「そんなん、むりくりやん」といった感じです。なんだか関西の方が使っているところも想像できます。兵庫県にお住まいの方もよく聞く表現だと言います。テレビでも芸人さんが使っています。また、関西ではおじさんやおばさんなど年齢層の高い人が使っているイメージがあるという声も聞かれます。元々は、北海道から青森にかけての方言だった「むりくり」ですが、今や全国的に広まっています。皆さんも、テレビや周りの人で使っているところを聞いたことがあるのではないでしょうか。全国的に広がったのは方言が広まったものなのか、別の何らかが広まったのか、その理由や流れは不明です。全国的には方言として「むりしゃり」「むりっくり」「しゃりむり」等の表現もあります。「むりくり」の意味がわかったところで、次に「むりくり」の敬語表現をご紹介していきます。とはいえ、「むりくり」は「無理やり」の方言ですので、敬語表現の定義もないです。そこで、「無理やり」という言葉の敬語表現は何か考えてみましょう。「無理やり」の敬語表現は「お仕着せ」です。では、「お仕着せ」とはどのような意味なのでしょうか。「お仕着せ」とは、主人から奉公人に季節に応じて着物を与えること、またその着物のことを指します。転じて、現在では自分の意志とは関係なく、一方的に与えられた事柄をさします。確かに「無理やり」という言葉は、自分の意志とは関係なく何かをされる際に使います。「むりくり」も「無理やり」と同様、敬語表現では「お仕着せ」という表現がされるのではないでしょうか。「むりくり」という言葉の由来には諸説あります。俗に言われるのは、「無理やり」と「遣り繰り」がくっついてできたという説です。意味は「無理に遣り繰りする」というニュアンスです。この説が由来であるならば、「むりくり」の漢字表記は「無理繰り」にあたるのでしよう。「むりくり」の語源には、「無理やり」と「遣り繰り」が挙げられます。この造語としての「むりくり」には「無理やり、やりくりして」という意味が込められており、「強引に、強制的に」を意味する「無理矢理」に対して「難しいけどなんとかやりくりして」というようなニュアンスが含まれています。では次に、「むりくり」の類語を紹介していきます。「むりくり」の意味で紹介した3つの意義素ごとにその類語が挙げられます。まず、「難しいことをわかった上で無理に押し通すさま」の意味で「むりくり」が使われる場合の類語には、困難を押して、果敢に、ためらいなく、果断に、断行して、無理を押して、無理やりに、ごり押しで、などがあります。次に、「本人の意思を無視して、物事を行うさま」の意味で「むりくり」が使われる場合の類語には、強制的、半強制的、無理やり、無理矢理、などがあります。そして、「相手の意向を無視して物事を行うさま」の意味です。「むりくり」が使われる場合の類語には、嫌でも、無理矢理でも、無理やりでも、無理にも、否応なく、問答無用で、強制的に、強要して、強制して、無理やり、無理に、お構いなく、意向を無視して、お構い無しに、腕ずく、腕ずくで、力ずく、力ずくで、押し切って、ごり押しで、否が応にも、腕力で、力任せに、無理やりに、強引に、半強制的に、無理強いをして、不当に、理不尽に、無茶に、なりふり構わず、ゴリ押しによる、力ずくによる、有無を言わさず、言いも悪いもなくなどがあります。いかがでしたか。「むりくり」という言葉は、地域によっては標準語だと勘違いするほど当たり前のように使っていた人もいれば、初めて聞いたという方もいるでしょう。「むりくり」は、本質的には「無理やり」と同じ意味で使われている方言の一つです。この方言は、全国的に広がりを見せており、「むりっくり」「むりしゃり」「しゃりむり」といった表現の変形も見られます。全国的に広がりを見せた理由やその流れは不明ですが、今や年齢層問わず使われています。また、「むりくり」には「無理やり」の方言形だけでなく、造語として使われる形も見られます。この場合には「無理やり」とは少し違ったニュアンスの意味も含まれます。あなたも、「無理やり」のかわりに「むりくり」を使ってみて、周りのみんなに伝わるか試してみてはいかがでしょうか。
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