Today's Movieは『ドアーズ/まぼろしの世界』。あの伝説のロックバンドThe doorsのドキュメンタリー映画だ。
プロレスラーの天龍源一郎が入場時に着るジャンパーの背中に一時”LIGHT MY FIRE"と記していたのがまさにThe doorsのあの名曲『LIGHT MY FIRE(ハートに火をつけて)』である。(ものすごい角度からのプロレス観戦~叫びえした的~笑)
The doorsが活動していたのは1960年代後半から70年代はじめ。私は、まだ生まれていない。
1960年代は銃声から始まった。
ケネディ暗殺、公民権運動の過熱、ベトナム戦争の泥沼化、ヒッピー・コミューンの輪の広がり、ドラッグ、チャールズ・マンソン…。こんな混沌とした時代の亀裂から生まれたのがThe doorsである。
私はこの60年代のアメリカに興味があって、たしか大学時代のゼミの研究発表でデニス・ホッパーの『イージー・ライダー』を題材に「60年代のアメリカ文化が日本に与える影響」みたいなテーマで書いた気がする。この映画もまさにこの時代の文化や思想を象徴している。単なるオヤジのロードムービーなんかじゃないんだ。
若者が全ての大人たちに抵抗していたこの時代だからこそThe doorsの音楽、ジム・モリソンの奇行は受け入れられたのだろう。ジム・モリソンは当時の若者が抱いていた鬱憤を代弁していただけだ。と、私は思っている。
彼は結局、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョップリンと同じ27歳という若さでこの世を去っている。死因は麻薬中毒という説が今では一般的だがホントのとことろは未だ明らかになっていない。
ジム・モリソンは天国と地獄の狭間で苦しんだアブなくて恐ろしくアタマのいい人物。とても切ない時代の切ない人物だった。
私が何故あえてこんな時代に興味があるのかというと、むしろこんな時代だったからこそ人間が人間らしい気がするのです。感情があふれているような。抵抗の時代は短くも確かに存在し世代意識を形作った。そこにあったものは確かだ。逆に恵まれた時代の人間こそ虚勢を張ったサイコパスだと。
$日々の泡