「機械」「魂」「悲劇」を材料に造り出される悲しき悪性兵器「AKUMA(アクマ)」。
AKUMAの製造者で世界終焉への計画を進める「千年伯爵」。
そして、唯一AKUMAを破壊できる神の結晶「イノセンス」に選ばれた存在である、「エクソシスト」達。主人公の「アレン・ウォーカー」もその一人であった。
アレンは世界とAKUMAに縛られた魂を救うべく、仲間と共に長く険しい戦いに身を投じていく。
「機械」「魂」「悲劇」を材料に造り出される悲しき悪性兵器「AKUMA(アクマ)」。
AKUMAの製造者で世界終焉への計画を進める「千年伯爵」。
そして、唯一AKUMAを破壊できる神の結晶「イノセンス」に選ばれた存在である、「エクソシスト」達。主人公の「アレン・ウォーカー」もその一人であった。
アレンは世界とAKUMAに縛られた魂を救うべく、仲間と共に長く険しい戦いに身を投じていく。
世間では、ある都市伝説めいた噂が流れていた。
「午前零時にだけアクセス出来るウェブサイト『地獄通信』に晴らせぬ怨みを書き込むと、地獄少女が現れて憎い相手を地獄に流してくれる」。
しかし、その噂は真実だった。
怨みを持った者が「地獄通信」に書き込んだ直後、依頼者の前にセーラー服を着た長い黒髪に赤い瞳をした地獄少女・閻魔あいが現れる。
あいは依頼主に契約の証である藁人形を渡し、「人形の首にかかる赤い糸を解けば、契約は成立し、憎い相手は地獄へ流される」という。
ただし、「その代償として自分自身も、死後は地獄で永遠に苦しむことになる」と告げるのであった。
依頼者は、その糸を解いて怨みを晴らすのか、それとも思い直して踏み留まるのか、葛藤の中で決断を迫られる。
契約が執行される際には、閻魔あいに付き従う「三藁」の一目連、骨女、輪入道らが現世での罰を与え、最後に地獄少女により「地獄流し」が行われる。
地球人の知らない、スキルやステータスといったシステムに支配された異世界。
そこでは常に勇者と魔王という旗頭を擁する、人族と魔族というふたつの勢力が争いを続けていた。
そんなある時、勇者と魔王が放った魔法は世界の枠さえ飛び越え、余りある力は勇者と魔王自身を滅ぼしても止まることはなかった。
その力の一部は次元の壁をも突き抜け、日本のとある高校の教室で炸裂してしまう。
そこにいた生徒と教師は全員死亡。
しかし彼らの魂は、勇者と魔王がいた世界に逆流し、そこで転生することになる。
しかも全員が、前世の記憶を持ったまま。ほとんどの者は人間に転生するが、人族でも魔族でもなく、本来なら知性を持たないはずの「魔物」に転生してしまった者も数人いた。
「私」視点三巻までのあらすじ
蜘蛛の魔物に転生してしまった「私」は世界最大の迷宮「エルロー大迷宮」で目覚める。
当初は何もわからないまま、がむしゃらに外敵を倒しては食料を得るだけの生活に順応していく「私」だったが、とある迷宮探索者のパーティ―に追われたことで、自ら作り上げた安住の巣「マイホーム」を打ち棄てて逃走する羽目になる。
屈辱を胸に再起した「私」は大迷宮内部での数々の強敵たちとの戦いを経て、力を伸ばしていく。
しかし、その過程で世界の鍵を握る「支配者スキル」と「禁忌」を手に入れたことをきっかけに、世界の裏側に潜む「管理者」の介入を受けその存在に気付く。
やがて「禁忌」を介して「世界の真実」を知った「私」は生き残るために必要な力はこの世界の常識の外にあると悟り、いままで以上の力を手にすべく奮起するのだった。
そして、因縁の相手である「地龍アラバ」との一対一の戦いを制した彼女は迷宮から脱出し、外界へと乗り出していく。
シュン視点二巻までのあらすじ
アナレイト王国第四王子「シュレイン・ザガン・アナレイト」は転生者であり、前世は山田俊輔という少年だった。
見知ったものがいない未知の世界に放り出された不安に身をよぎらせながら赤ん坊からやり直すシュンだったが、その6年後に貴族社会への顔見世の場でもある「鑑定の儀」に臨んだ際に転生前の親友「カルナティア・セリ・アナバルド(大島叶多)」、続いて献上された卵から孵った地竜「フェイルーン(漆原美麗)」との再会を果たす。
転生後のお互いの変化に困惑しながらも、尊敬する兄にして現勇者「ユリウス」との交流もあって鍛錬や学びの日々を送るクラスメートたちだったが、他方で彼らは前世にはないステータスやスキルの存在に不穏なものを感じ取ってもいた。
そんな日々を過ごす彼らの前に王国の親善大使として赴任してきたエルフの族長ポティマスが現れる。
そこでポティマスは彼の娘という触れ込みだったが、その実は前世のクラス担任教師の「フィリメス・ハァイフェナス(岡崎香奈美)」のことを転生者たちに紹介した。
鑑定の儀から4年後、自身に危ない視線を向ける妹「スーレシア」やフィリメスも含め、各国の子女が集う学園に揃って進むことになったシュンたちだったが、彼らはそこで大国「レングザンド帝国」の王太子「ユーゴー・バン・レングザンド(夏目健吾)」と次期聖女候補「ユーリーン・ウレン(長谷部結花)」のふたりと再会する。
一方で、なにかを隠しているにも関わらず、前世通りのおどけた言動を取ってはぐらかそうとするフィリメス相手にカティアはどこか不信感を覚えていた。
また、宗教に傾倒するユーリや兄にぞっこんのスーなどシュンを取り巻く人間関係に気を揉みつつ、前世と現世の間の断絶によって変化が生じつつあることに気づいていたカティアだったが、その傍らで思春期の身体を抱える自らがシュンに向ける感情についてはいまだ無自覚のままだった。
学園生活の中で周囲を上回る才覚を発揮する転生者達だったが、その中でユーゴ―は周囲を顧みない増長した行動を取り、やがてシュンの才能に嫉妬しての謀殺を試みるものの、フィリメスにそれを阻止され彼女の発揮する未知の力「支配者権限」によってほとんどの力を奪われる。
が、ユーゴ―の手の者が用意した上位地竜が直後に暴発、地竜は実は転生先におけるフェイの母親であり卵の時に奪われた子を取り戻すためにここまでやってきていたのだ。
一同の奮闘によって地竜は斃れるものの、母親の首筋に牙を立てたフェイはその苦い味に思うところあったのか、今まで消極的だった巨大化を伴う進化や鍛錬も厭わないようになる。
シュンは自分の知るところと知らないところで前世からの友人知人たちが変わらざるを得なかったということ、命を奪うことに付きまとう怯えを実感するのだった。
しかし、概ね平穏に推移する学園生活とは裏腹に世界情勢は急転の一途を辿っており、人族と敵対する魔族たちが動き出そうとしていた。
魔族の頂点に立つ魔王が全10軍からなる軍団長を招集し、戦争のはじまりを宣言したのである。
呼応して勇者の称号を持つユリウスたちも戦地に赴くことになる。
それからさほどの時を置くことがなく、いつものように学園で講義を聞いていたシュンの脳内に称号「勇者」を取得したとのシステムメッセージが流れ、なんの覚悟と猶予も与えられないまま勇者の責務を負うことになったのは、転生して15年後のある日のことである。
「私」視点六巻までのあらすじ
地龍アラバとの戦いを見据える「私」だったが、そのさなかで転生先の親である「マザー」が自身に精神支配を行ってきたことに気づく。
魂への直接攻撃という奇策によって圧倒的な力の差を覆そうとする「私」だったが、それは蜘蛛の魔物すべての祖である魔王「アリエル」との敵対と同義だった。
会敵すなわち死を意味する埒外の存在を前にして、「私」は事前に得ていたスキルや仕込みを駆使して生き延びながらアリエルの戦力を削っていき、ついにはマザーを倒す。
満を持してやってきた人里近郊で、転生者のひとり「ソフィア・ケレン(根岸彰子)」に出会った「私」だったが、生来の人付き合いの苦手な性格と魔物の姿もあって赤ん坊だった彼女の窮地を救うものの、それ以上の接触は行わなかった。
奇しくも「私」は現地宗教「女神教」の教義との一致と、かねてから行っていた善行もあって神獣と見なされ現地民から崇め奉られることになってしまう。
悪い気がしなかった「私」は引き続き慈善活動を行うものの、折悪くソフィアの属する国「サリエーラ国」は敵対国やエルフによる謀略戦の最中だった。
陣営の首脳たちが「私」の正体について思案を巡らせ、またそれぞれの目的をもって絵図を描くなか、事態を完全に把握していたわけではない「私」は戦争の引き金を引いてしまう。
「私」は訪れた戦場で大量の経験値を得るものの、予想外のアリエルの乱入を受けて最大の危機を迎える。
事前の仕込みもあってかろうじて生還した「私」はかねてから目標にしていた半人半蜘蛛の魔物「アラクネ」への進化を達成するが、直後ソフィアが危機に陥っていることに気づき、おっとり刀で駆け付ける。
そこでソフィアを殺そうとしていたエルフの族長「ポティマス・ハァイフェナス」はエルフに似つかわしくない機械の身体を持っており、この世界屈指の力を持つ「私」をして拮抗する戦いを演じた強敵だったが、今度は敵対から同盟へと「私」への態度を変化させたアリエルにその場を救われる。
双方はわだかまりを捨て手を取り合うのだった。
それからアリエルは「私」と連れたって本来の目的を達成すべく、魔族領へと帰還する旅をはじめる。
ソフィアと、彼女の下に唯一残された従者「メラゾフィス」をそのままにしてはおけない義侠心や同郷のよしみもあり、ふたりを加えその足に合わせての旅はゆるやかなものだったが、ソフィアたちを間に挟むことで一行の雰囲気は次第に和やかなものへと推移していく。
「私」がアリエルの眷属である「パペット・タラテクト」の姉妹たちを人間さながらに改造しているさなか、アリエル達はサリエーラ国に対する戦争の黒幕であった神言教教皇「ダスティン」との非公式での面談を行っていたりと分かれて行動していたが、管理者「ギュリエディストディエス」から「私」のもとに急報が飛び込んでくる。
「マザー」との戦いで活躍した「私」の意識の分身「並列意思」が大量の蜘蛛の群れを引き連れ、街を襲っているのだという。
二つ返事で討伐を引き受けた「私」は自分の意思を無視して暴走する「並列意思」たちに不快なものを感じ、そのことごとくを斬って捨て事態を解決に導くのだった。
シュン視点五巻までのあらすじ
学園から呼び戻され王城に戻ったシュンだったが、勇者ユリウスの死によって動揺した王家では第一王子「レストン」をはじめとする兄弟間の確執が噴出していた。 シュンは内心の怯えを振り払うように鍛錬に没頭しながら今回の戦争で防衛線を担った八つの砦が辿った概略を追っていく。
聖女候補だったユーリが教会に戻り、使い魔の契約を結んだフェイがなぜか卵の状態になってしまうなど、身近な仲間から引き離されてのひと時を過ごすシュンであった。
ユリウスの死の顛末についてシュンが知るのは勇者の称号を得てから一ヶ月後、ユリウスの仲間たちの中で唯一生き残った「ハイリンス・クォート」の口を経てだった。
いわくユリウスを殺めたのは存在のすべてが謎に包まれた「白い少女」であるという。
改めて失った存在の大きさに慟哭するシュンであった。
以後、ハイリンスはシュンの仲間として彼に一貫して同行することになる。
しかし、陰謀はシュンの気づけない水面下で進んでいた。
シュンの新勇者就任の公式発表を間際に控えた時期にあって、父王「シリウス」が眼前で洗脳されたスーの手で暗殺された。
同時に、学園での醜態によって凋落していたかに見えたユーゴ―が謎の少女「ソフィア」を連れ添って現れ、意趣返しを果たした旨をのたまいながらシュンのことを嘲笑う。
逆恨みから負の感情を高めていたユーゴ―は支配者スキル「色欲」を手にしており、カティアをはじめとするシュンの身近な存在を洗脳によって手中に収めていたのだ。
立ちはだかったカティアは前世と現世の狭間での葛藤の果てに自害するが、シュンの手によって蘇生され我に返る。
この場における最大の脅威であるソフィアが乗り気でなかったこともあり、フィリメスの介入や光竜への進化を果たして飛行能力を得たフェイの乱入によってシュンたちはその場から逃れることに成功するものの、クーデターの首魁という濡れ衣を着せられ一行はお尋ね者になってしまう。
詳しい事情を知るフィリメスがステータス異常によって眠っている中、カティアの両親をはじめとする人質の救出に動くシュンたちだったが、人質がいる王城に現れたのは兄ユリウスの師でもあった帝国の魔法使い「ロナント・オロゾイ」だった。
ロナントの圧倒的な実力によって接敵前に撃ち落とされかねなかったシュンだが、かろうじて距離を詰め彼に撤退の判断を下させることに成功する。
一方、ロナントは弟子であるユリウスの死を悼み、シュンに対して一定の評価を与えながらも、帝国を表向き支配するユーゴ―ではなく裏で暗躍するソフィアやその上に立つ「ご主人様」相手に警戒の色を濃くしていた。
肝心の王城ではさしたる妨害もなく、人質四名がシュンたちの到達に合わせて自害するという悪辣な仕掛けが施されているのみだった。
カティアに用いたものと同じ、支配者スキル「慈悲」による死者蘇生によって彼らを救ったシュンたちだったが、それは人族社会では忌避される「禁忌」のレベルアップと引き換えでもあった。
それは裏側で絵図を描いた何者かの思惑通りでもあったのだが、安堵するシュンたちにはそれを知る由もなかった。
人質たちと合流し、情報を整理した一行はユーゴーを討つことを第一の目的とし、彼が侵攻の対象に定めた「エルフの里」で先回りして迎撃する方針を定める。
エルフの里を目指すにあたって唯一のルートである「エルロー大迷宮」を攻略に向かうシュンたち一行は、人型に変化できるようになったフェイのお披露目や頑固一徹な迷宮案内人「バスガス」との出会いなどありつつ、順調に迷宮内を踏破していった。
しかし、事前に危険性を警告されていた迷宮の魔物「悪夢の残滓」の群れがシュンたちの前に現れ、シュンは不用意に彼女たちに話しかけてしまう。
彼女たちは断片的ながら不吉なメッセージを投げかけてくるのみで害することはなかったものの、シュンの危うさがあらわとなる事件だった。
その後、シュンが迷宮内で前世の夢や意味深な夢を見ながらも一行は大過なく迷宮を脱出し、別大陸の大国「サリエーラ国」へとたどり着く。
一方、エルフと敵対する管理者側についた転生者のひとり「ソフィア・ケレン(根岸彰子)」は同行者相手に余裕綽々の口を叩きながら帝国軍の行軍に同行していた。
隠された転移陣を使って一足先にエルフの里に到着した一行を出迎えたのは政変の際にソフィアに殺されたはずの族長ポティマスだった。
エルフの里でシュンたちは前世のクラスメート十三人と再会し、旧交を温め合うことになる。
しかし、クラス委員長だった「工藤沙智」をはじめとする彼女たちのフィリメスに対する態度は冷たいものだった。
彼女たちは幼少期に誘拐や人身売買といった後ろ暗い手段でエルフの里に連れてこられ、待遇もほぼ軟禁状態だったためである。
この世界を裏側から支配する管理者にまつわる話を聞き、エルフはそれに対抗しているという構図を先に知ったシュンではあるが、元々ポティマスに対して抱えていた不信、エルフという種族そのものに対する不快感もあってフィリメスのことをどうしても信じ切ることができない。
フィリメスに信を傾けすぎるなという助言をかけるカティアを傍らに、シュンはふたりの共通の親友である「笹島京也」がどこにいるかも薄々察しつつあるのだった。
ソフィアと並び立つもう一人の転生者が再会を心待ちにする中、魔王はそばに佇む「白」相手にポティマスの首を取るという悲願を語る。
ポティマスもまた、傲岸不遜な言葉と共に彼女たちを叩き潰すことを宣言し、この時のシュンたちが知る由もない世の裏側の決戦が幕を開けようとしていた。
九巻までのあらすじ
並列意思の暴走から一年後、まだ幼児であるソフィアも含め、一行は鍛錬を重ねながら魔族領への旅程を進めていく。
風龍たちの支配する荒野に通りがかった一行は、人類の愚かさによって崩壊した旧文明の決戦兵器「Gフリート」とそれが内蔵する無数の機械兵器群を偶然から起動させてしまう。
隕石を牽引して星に落着させる「Gメテオ」や起爆したが最後大陸ごと吹き飛ばす威力を持つ「GMA爆弾」の脅威が迫る中、アリエルは旧知の仲であり、事態の深刻さを知る旧文明の住人でもあったダスティンやギュリエディストディエスに協力を呼びかける。
過程で手を取り合えても、最終目的の相違を考えれば呉越同舟の三陣営が打算抜きの尽力を行う中で、全陣営から信頼できない巨悪と見なされているポティマスが拠出する戦力と情報を加え、「私」たちはポティマス相手に不信感を募らせながらも共にGフリート内部へと突入する。
なんとかGフリートの無力化に成功し、ついでに恥知らずな裏切りを行ったポティマスのことも無力化し、共闘を経てアリエルとの間に確かな絆を築いた「私」だったが――。
起動しようとするGMA爆弾をとっさに取り込んだことで、「私」は爆弾が内包する莫大なエネルギーを自分のものにすることに成功した。
これによって「私」は休眠期間を経て神へと至る進化「神化」を果たし、姿も完全な人型へと変化を遂げた。
なお、この際に事あるごとに「私」に対してスマホ越しに介入の手を伸ばしてきた管理者「邪神D」から正式に「白織」という真名をもって命名される。
しかし、システムに依存しない存在になったはいいが、同時にその恩恵も受けられなくなった白織は持ち前の虚弱体質を抱えながら一行の庇護を受けながら魔族領への旅を再開する羽目になった。
白織が力を取り戻す糸口さえ掴めないままに二年以上が経過し、一行は人族国家屈指の強国「レングザンド帝国」領内にして魔族領との境界地帯にして天然の要害である「魔の山脈」の麓にまで辿り着く。
そこにA級冒険者「ゴトー」を含む冒険者たちが特異な進化を遂げたオーガに返り討ちに遭ったという報が飛び込んでくる。
特異オーガの正体、それは転生後に手にしたささやかな幸福をすべて奪われ、「憤怒」に任せて行き場のない殺戮を周囲に振りまく転生者「ラース(笹島京也)」だった。
遡れば迷宮内で「私」と遭遇し、彼女の報復によって立場を失った帝国の召喚士「ブイリムス」がラースの逆襲によって魔の山脈で命を落とした。
時同じくして、頻発するようになった児童誘拐事件の捜査に帝国軍の精鋭が動き出す。
また、当時その場にブイリムスと居合わせた縁もあり、現地に訪れた人類最強の魔法使いロナントも特異オーガの討伐に乗り出そうとしていた。
そういった個人や組織の事情や特異オーガの危険性は知ってか知らずか、ソフィアがエルフによってあわや拉致されるという危機に陥る。
事態を引き起こしたのは転生者のひとりであり、前世ではクラスの担任教師を務めていた「フィリメス・ハァイフェナス(岡崎香奈美)」だった。転生直後から現地の父であるポティマスと交渉し、エルフという種族のバックアップを得ていたフィリメスは幼児期から教え子たちの保護活動を行っていたのだ。
同じく実利を兼ねて手元に転生者を確保していた神言教も、転生者に対して注視の姿勢を崩さない。
一行の保護者役であるアリエルが薄々裏事情を察しながら沈黙を保ち、各陣営がラースを巡って暗闘を繰り広げる中、一同は山越えを敢行する。
しかし、登山の最中に白織たち一行は討伐隊や神言教暗部の攻撃を辛くも逃れ「鬼人」へと進化したラースと交戦する羽目になった。
その上雪山という地形も悪く、雪崩によって分断されるというハプニングに見舞われる一行であった。
再度来襲してきたラース相手にソフィアはいままでの鍛錬もあって一対一で食い下がるも、彼女のピンチに合わせて咄嗟に蜘蛛糸を出すことに成功した白織によって救われる。
この場は氷河の崩落にひとり巻き込まれて戦線からラースが脱落した形となり、勝負はからくも水入りとなった。
晴れて魔族領に到着した一行が目の当たりにしたのは人族と極めて似通った街並みと人々、そして魔族の重鎮である辺境伯「アーグナー・ライセップ」の出迎えだった。
長く続いた戦乱によって減った人口が回復せず、疲弊が激しい魔族という種自体の未来を案じエルフとのホットラインも有するアーグナーと、目的のためにあえて憎まれ役を演じて反抗分子をあぶりだそうとするアリエルの腹の探り合いがはじまる中、白織は魔王城直下の公爵邸居候の身となりようやく一息つくのだった。