雨のキャンプフアイアー

 

友達6人同じ中学卒業 同じ高校に入学した。

高校1年生 怖いもの知らずの 16歳です。

夏休みのイベントに何かしょう、6人で協議します。

堂々巡りの議論の末にキヤンプをする事に決まりました。

いよいよ当日、延岡駅前に集合、それぞれの自転車です。天気は快晴、

キヤンプ日和です.

約10キロ先の北川を目指します。我々はテントを持って無く、

テントの代わりに、虫よけの蚊帳を持参しました。

食料 水 毛布 お菓子等途中のスーパーで購入。

1時間位で到着、テント班は慣れない手つきで蚊帳を張ります。

食事班は飯盒で米を炊きます。メニュはカレーライス。

食事が終わると、水泳です。

初めての川だから深みに行かない、申し合わせをして飛び込みました。

北川は鮎が住む清流です。冷たい水に震えた。

泳ぎ疲れて休憩を取ります。

 

夜が更けると、キヤンプフアイヤーです。歌ったり踊ったり実に楽しい夜です。

土地勘が無く、周囲の事も分からない。

動物よけに、火は消さない事にしました。

10時過ぎ、最悪の事態です。雨が降り始めました。

蚊帳の上に、竹や藪木を重ねます。雨はさらに強くなり、竹を更に重ねます。

左前方の杭が折れました。蚊帳はゆっくりと倒れていく。

テントの中は完全に水浸し、馬鹿者は傘も持参していません。

眠れぬ一夜があけました。北川で濡れタオル、毛布等洗います。

洗濯が終わったら、河原に並べて干します。

準備した食料も水浸し、食べられません。

 

二とうりの方法があります。一つは山越え 又はトンネルを走るか 

自転車番に一人は残る。山越えに二人、トンネル越えに3

あみだくじで夫々の役割決定。

山越えは道不案内で成功の確率は低い、トンネル越えは近道だけど、汽車と出会えば、最も危険なコース。

 

私はトンネルコースの役割です。3人でトンネルの前まで来ました。

左側に二人、右側は私一人 トンネルの出口は見えません。

深呼吸をして飛び込みます。真っ暗闇を走ります。

途中右足が小動物の死体を踏みました。すべってバランスを崩した。

それでもなお、走る。ボンヤリと前方が明るくなりました。もう少しだ

頑張れ、トンネルの前方が開けた。遂にヤッタと思いましたが、しかし

前方から蒸気機関車がトンネル目指して、走って来ました。万事休すです。

トンネルにへばりついて、寝るか、このまま走り続けるか。

トンネルに寝るのは、機関車の蒸気で大やけどをする。

一か八か走るしかない。あと30m人で一目散に出口に向かった。

迫る機関車 走る3人 それぞれ命懸けです。.

機関車がボーツと大声で迫ります。蒸気は左右から噴き出しています。

機関車の運転手が我々にきずいた、汽笛が2度 3度 警告メッセージです。

トンネルから飛び出す.と左右か広くなっていた。

皆、飛んで寝転んだ。 幸運な.事に機関車は蒸気を止めてくれた。

貨物列車は通過して行く。我々は命拾いをした。

3人ともあの恐怖は生涯忘れられない。本当に怖かった。

山越え班は道に迷って、成果無しの帰還。

さんざんなキヤンプでした。後年大人になって集まると必ずキヤンプの

話が盛り上がります。

 

無鉄砲、無計画 無謀 そして馬鹿若者だ