前田敦子編
都内のAKB株式会社
私は仕事が終わり、力一杯伸びをする。
「う~ん。やっと終わった~」
「あっちゃん。早いね。急いでやってたけど、この後何かあるの?」
前の席に座るたかみなが、パソコンから顔を出して話しかけてくる。
たかみなは背が小さいから、上ではなく、横から顔を出す。
「うん。この後、子供の頃からの友達に合うんだ」
「親友なの」
「そうだよ。ずっと仲が良いの」
そうだ。ともちんとは小学校で出会い、ずっと仲が良い。
この日が決まった二週間前からずっと楽しみにしてきた。
そして、その親友の名前は板野友美。ともちんと呼んでいる。
「じゃあ、私は先に帰るね」
「じゃあね。また明日ね」
立ち上がり、窓際に座る麻理子を向く。
「じゃあ、篠田部長。先に失礼しますね」
「ああ、お疲れ様」
篠田部長は美人で、スタイルも良くて、仕事もできて、若くして部長に実力で成った、私の憧れだ。
会社を出ていこうとすると、私の横に座るにゃんにゃんが話しかけてきた。
「え、あっちゃんもう帰っちゃうの。だったら、私の手伝って~」
「もう、にゃんにゃん、自分でやんなきゃ駄目だよ」
「だって~」
にゃんにゃんは仕事ができない訳じゃないんだが、天然で時々ミスをしてしまう。
私の仕事が一段落した時などに、手伝ってあげている。
「今日はこの後用事あるから、駄目だよ」
「10分だけで良いから」
手を合わせ頼んでくる。
「私もやりますから、手伝ってあげましょうよ。前田さん」
にゃんにゃんの横に座る指原が言う。
「いや、でも」
「大丈夫です。私がいます」
いや、お前がいると余計に終わりそうにないから。
指原は、一言で言うとダメ人間だった。
仕事もできず、その上、へたれだった。
正直、指原には手伝って欲しくなかった。
手伝う時間が長くなるだけだった。
「いいの?さっしー」
「勿論です。私も自分のは終わりましたから」
「じゃあ、にゃんにゃんは指原に手伝ってもらって、私は帰って良い?」
「駄目だよ。優秀なあっちゃんいないと終わらないよ」
「もう、分かったよ。10分だけだよ」
「ありがとう。あっちゃん」
私は自分で10分と言いながらも、絶対に10分で終わらない気がしていた。
10分後
「にゃんにゃん。もう10分経ったけど」
「後5分だけ」
「5分だけだよ」
5分後
私はにゃんにゃんの顔を見るが、抜け出せそうになかった。
私は諦め、にゃんにゃんの仕事を手伝い続けた。
結局、30分、私は手伝った。
20分程経った頃から、私は急いでにゃんにゃんの仕事を手伝った。
そのおかげで終わる事が出来た。
「じゃあ、もう帰るね」
「ありがとね。あっちゃん」
「いいよ。別に」
私は適当に部のみんなに挨拶して、走って会社を出た。
会社を出て、そのまま、ともちんと待ち合わせしてる店に向かう。
急がないと、5分の遅刻だ。
つづく