『りいサ、何でおまえオトコ出来ないんだろうね?』
ひとりのオジサンが、焼酎の水割りのジョッキで私を指す。
『いやいや、ダメだろ。
こんな生意気。』
『こいつさー、もう一生チューもエッチもしないんだって。
そりゃオトコも出来ねーだろー。』
『あれ?おまえ、何かトラウマあったの?
勿体無いないなぁ。』
ひとり口火を切れば、散々な言われよう。
まあ、九年も彼氏いないなんて聞けば、突つきたくもなるか。
『先生たち、どうしてそんなに次から次へと、、。
もう!いっつもそうやって私をいじめて楽しんでるんだから。』
『あれ、言わなかった?
俺たち、元々追求して行く側だったの。
法律家になった当初は弁護士じゃない。』
なーる、、、。
そりゃ、なかなか勝てないわけだ。
そうよ、好きじゃないわよ。
エッチもチューも。
気持ち良さも知ってる。
子どもも生んだ。
街を歩くカップルを見ては羨ましくなる。
風邪を引けば寂しい。
彼氏は欲しいけど、エッチやチューをしてまで欲しいとは思わない。
たしかに、ここまでいけば病かもね。
あまり綺麗な行為だと思わなくて、、。
何があったという訳じゃない。
潔癖という訳でもない。
人があまり好きじゃないということが作用してるのかな、強いていえば。
外出時は手袋がないとダメ、特に電車とか。
夏も長袖。日焼け対策以外にも、すれ違い様汗ばんだ他人の肌に触れたくない。
大衆浴場行かない。
人の作ったおにぎり食べれない。
この程度はある。
でも、好きになった人は大丈夫だし、素敵だなと思う人もいる。
『先生たちって客観的に見ても素敵よね。
若い時は沢山遊んだんだろうなぁ。
今まで何人くらいいた?
今は?彼女いないの?』
揃って黙った、、。
勝った、、。
