発達障がいを考える③ 〜スペシャルタレント気質と向き合う〜 | ERRCのブログ

ERRCのブログ

私たちERRCは、不登校やひきこもり、発達障がいなどで悩む「スペシャルタレント」サポーターであり、当事者でもあります。
アニマルセラピーやカウンセリング、学習支援などを通し、生きづらさを感じる人々をサポートしています。

はじめまして。ERRCのMiaと申します。

(facebookページも是非ご覧ください)

 

 

さて今回は、発達障がい、つまりスペシャルタレント (ST) 気質にどう向き合うかを考えていきたいと思います。前回に引き続き、家族支援メンタルサポート協会理事長である森薫先生のお考えやお言葉をご紹介していきたいと思います。

スペシャルタレントとは?

 

 

スペシャルタレント (ST) 気質は隠れた才能

 スペシャルタレント気質で悩みの種になりやすいのは「みんなと違う」ということです。独創性より協調性を大事にする日本の文化では、どうしてもこの気質の子どもたちは浮いた存在になりやすいのです。個性を重んじると口では言っても、それは ”学校や会社の規律の範囲内で” ということを意味し、本当の意味で個性を大事にしてくれている学校や会社はほんのひと握りと言えそうです。こういった風潮は、「みんなと違う」=「ダメ」というような激しい思い込みが、日本人の中に深く根付いているからなのかもしれません。この思い込みをなくしていくためにはどうするべきなのでしょうか。”スペシャルタレント気質は「みんなと違う」けど「実はスゴい」” ということを社会に証明すればいいのです。スペシャルタレント気質はダイヤモンドの原石のような存在です。周りの協力や理解があって初めて磨かれ、価値のあるダイヤへと素晴らしい変貌を遂げます。しかしその可能性に気付くことなく放置されれば、ただの石のままです。子どもたちの可能性を広げるためには、前向きにこの気質と向き合っていくことが重要ではないでしょうか。

 

 

切り替え力 (レジリエンス) とは?

 前回もお話しましたが、スペシャルタレント気質と向き合うためにはまず、本人がこれを認め受け入れるということが重要です。実はこれは非常に大事な一歩であり、中には家族が決して認めなかったり、本人も受け入れを拒否するということもしばしば見られます。時間がかかっても、専門家による正確な診断とできるだけわかりやすい説明を受けるということが一番効果的ではないかと思います。そして次のステップとして、気持ちの切り替え力 (resilience: レジリエンス) が鍵となります。これは森先生のお言葉です。『明るく前向きに生きるために最も必要なスキルは (中略)、自分の負の気分から幸せな気分に ”切り替える力 (レジリエンス) ” ではないでしょうか。』スペシャルタレント気質の子どもたちは学校や社会で悩みを抱えることが多く「自分はダメな人間だ」などと負の感情を持つことが少なくありません。このままマイナス思考を繰り返していくと、思考だけでなく行動にも影響し、やがて負のスパイラルに陥っていきます。そんな連鎖を断ち切るために、少しずつレジリエンスを意識していこうというのが、森先生のお考えです。具体的には、①言葉を切り替える ②気持ちを切り替える ③行動を切り替えるという3段階で実践していくことを提唱されています。ここでは一部分のみ、ご紹介させて頂きたいと思います。

 

①言葉を切り替える:日常的に相手や自分自身を傷つける言葉を使わない。できないことを責め立てるのではなく、できたことを褒めてあげることは非常に重要です。また負の感情から抜け出すために、自分の内なる感情をしまい込まずに素直に吐き出すことも必要です。そして相手にも自分自身にも感謝の気持ちを忘れてはいけません。「おかげさま」「ありがとう」と素直に言えれば、人間関係も少しずつ良好になっていくでしょう。

 

②気持ちを切り替える:たまには自分自身の気持ちにフォーカシングして、体調や気分の変化にいち早く気付くことが大切です。負の流れをストップさせ、良い方向へ導くことにつながります。また、自分自身の良いところを思い返し「私はこんなことできるんだ」とプラス思考に切り替えることができれば、相手の肯定面にも気付くことができるのではないでしょうか。そして身体を守るためには、ストレッサーから距離を置くことも大事です。

 

③行動を切り替える:毎日の自分の行動を見直して身体的に健康的な生活ができれば、精神的にもプラスになります。早起きしたりウォーキングしたりして日常をちょっと変えれば、今までとは違う五感の変化を感じとることができます。また、自分の好きなことをしたり、お気に入りの居場所を見つけるということも非常に重要です。

 

 先に述べたように、スペシャルタレント気質の子どもたちは一般的に繊細で、悩みを抱え込むことが少なくありません。また、そのご家族も同じように苦しんでいます。このようなレジリエンスを身につけ前向きになることは、家族全体を救う上で非常に重要なことです。急にポジティブになることは簡単ではありません。しかし、少しずつ考え方を見直していくことは同時に、負のスパイラルから一歩ずつ抜け出しているということでもあるのです。そして大事なことは、子どもたちの可能性を広げるということです。「ST気質ってすごいね」と自分でも家族でも言うことで、周りにもそのプラスの考えを広げていきましょう。

 

ご紹介させて頂いた、森薫先生の著書です。

森先生の温かいお言葉が気持ちを前向きにさせてくれます。

ぜひお読みください。

 

 

★ スペシャルタレントかな?と思ったら

困りごとや学習支援、キャリアガイダンスなど、お気軽にご相談ください。

080-3345-1370

errcjapan@gmail.com