①カウンターパーティーリスクとは

カウンターパーティーリスクとは、店頭デリバティブなどの契約に際し、満期前に取引相手のデフォルト等によって支払いを受けることができないなどのリスクをいう。2008年の世界金融危機以前にも認識されていた概念である。一方、より広義なカウンターパーティーリスクとして問題になったのは、取引相手の信用力の低下によって当該取引の価値も既存することになる時価損失リスクである。これを補足する概念として、昨今注目を浴びているのはCVA(Credit Valuation Adjustment)評価である。直訳通り、信用力で価値を調整する評価方法で、取引相手が将来デフォルトした時の期待損失の現在価値のことである。時々刻々nと変化する信用力を各取引の価値として反映するという意味で新しい概念であった。

CDSのスプレッドを利用している。

 

②バーゼル規制

金融危機以前に発表された現行バーゼルⅡにおいて、カウンターパーティーリスクに対する資本賦課規制は存在したが、取引相手の信用リスクに対する資本賦課のみであり、CVA変動リスクに対する枠組みは存在しなかった。そこで、バーゼルⅢではCVAの変動リスクに対する資本賦課規制を明文化した。