今日、これからの読書 | 伽藍の堂

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ぽっかり空いた心のすき間を満たすために

天正十二年のクローディアス―自選短篇集 歴史ミステリー編 (小学館文庫)/井沢 元彦

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失はれる物語 (角川文庫)/乙一

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乙一の「GOTH」が読み終わったので「失はれる物語」を購入。でも読み始める前に井沢元彦の「天正十二年のクローディアス」を先行して読みます。全然タイプの違う二つの小説。共通点は本当に描きたいことを「ミステリー」という形式を使って表現していること。乙一についてはもうちょっと読んでからコメントする、かも。後者は「歴史」という失われた物語を目一杯の資料と想像力で再構築している?史学という学問は資料史上主義でファンタジーを排除する傾向があるけど、以前もどこかで書いように、あなたや私が死んだ後にその人生を誰が描けるだろうか?と考えると「歴史」の読み方についていろいろ考えざるを得ない。誰しももっとも大事なことは心に秘めている。そうした人間達が織り成すのが歴史なのに「記録に残っていないものは存在しない」とする史学はどれぐらい人間の実体に迫れるだろうか・・・僕にも歴史上にも、仕事上にも、恋心上にも気になる人がいる。その人たちに秘めたものも含めて近づくには、近づきたい!という強い気持ちとともに、頭、身体、経験、そして想像力がいる。それは「愛情」と言い換えることもできるかもしれないが、自分に都合よく相手を理解するのではなく、相手をそのまま理解しようとする心の試みがもしかしたら何かに触れることを可能にしてくれるのかもしれない。

自分には中々できそうにないので、定期的に自分に確認しています。