「千代ヶ崎砲台」は明治時代に造られた砲台で、東京湾に侵入してくる敵艦船を監視・迎撃するために造られた要塞である。
 
 
私が愛読している”セロ美”さんのブログ記事で紹介されていて、土日祝日のみ一般公開されてるとのことで行ってきた。
 
ちなみにこのネタは昨年の11月の話である。
(投稿遅っ💦)
 
 
 
 
砲台が造られた経緯などは割愛するが、詳しくはHP又はセロ美さんのブログ記事を読むと良い。
 
 
施設の入口は丘の上にあり、入口の200mほど手前の坂の途中に無料の駐車スペースがある。
 
 
駐車スペースにバイクを停めて徒歩で坂道を登る。
 
 
坂道は勾配が少々急なので運動不足気味の人は息切れをおこすかもしれない。
 
 
ちなみに私もその一人だ…💦
…ハアハア(*´Д`)💦
 
 
 
 
入口は切通になっており、そこを抜けると受付に寄るようにとの告知板がある。
 
 
告知通り受付に行くと、係員から、ボランティアガイドによるガイドツアーを勧められる。
 
ガイドツアーの時間は45分程度と聞いて少し迷った。
 
この日は黒いバイクに黒い革ジャン&革パン&革ブーツという出で立ちで、軽快に歩き回れるような格好ではなかったのと、帰路で床屋に寄る予定だったためだ。
(その格好で散髪するのか…💦)
 
 
まあ別に床屋さんは予約しているわけでもないし、無料だし、ツアーに参加すれば一般の人は入れない所も入れるとのことなので、参加することにした。
 
 
ツアーの途中にはトイレが無いとのことなので先にトイレを済ませた。
 
 
トイレは”バイオトイレ”を採用しているとのことで、恐る恐る中を覗くと"おが屑"のような"土"のような物がかき回されていた。
 
臭いはほぼ無い。
自分のだけ…。
(コラコラ…💦)
 
 
実はこの施設には水道が通っていないそうだ。
(電気はきている💦)
 
国の史跡になったおかげで許可なく工事ができないとガイドが言っていた。
 
ちなみに手洗い用の水はあるが飲用は不可で自販機も無いので飲み物は各自で事前に準備が必要だ。
近くにコンビニも無い!
当然ながらレストランなども無い!
 
吉幾三の「おら東京さ行ぐだ」ではないが、本当に何もないヤバイ場所にこの砲台跡はある。
 
 
ボランティアガイドさんは60~70代くらいの人生の先輩だ。
 
一緒に回る客は私ともう一人の40代後半くらいの男性の計2名。
 
まずは受付の建物にある展示物の解説からスタートする。
 
建築に使われた煉瓦や砲弾のレプリカなど、展示物の解説で10分ほどかかった。
ボランティアガイドさんもまだペースがつかめていないのか解説に少々時間を要する。
 
この時点で45分で終わらないことを私は悟った。
 
 
展示室を出てようやく"要塞"へ入る。
 
 
要塞内は”塁道(るいどう)”とよばれる通路で砲台等の各ユニットに繋がっている。
 
 
石畳のゆるい坂を下ると中世のヨーロッパに見るような城壁が現れる。
 
 
 
 
アーチ形に組まれた煉瓦や石組がなかなか美しい。
 
 
当時から水道が通ってないので、飲み水などは雨水を利用していたとのこと。
 
塁道の両サイドには側溝がが埋設されており雨水を集める集水系と汚水を外へ排出する排水系に分かれているそうだ。
 
集められた雨水は”ろ過”して生活用水として使われていた。
 
集めた雨水をろ過して貯める貯水所。
壁は煉瓦、床と天井はコンクリートだ。
 
ただでさえ腹の弱い私がもしここに配属されていたら、毎日が下痢地獄だったにちがいない…💦
 
 
棲息掩蔽部(せいそくえんぺいぶ)と呼ばれる兵舎も煉瓦とコンクリートで作られている。
 
棲息掩蔽部
写真では扉や窓枠が無いが無管理状態だった時に盗難にあったらしいとのことだ。
 
当時の兵舎での生活につては資料が残っておらず、テーブルがあったのか、ベッドで寝ていたのか、など何もわかっていないらしい。
 
 
 
まるでピラミッドの内部を探検しているようでなかなか楽しい。
 
 
教会のような美しい空間もある。
 
 
神聖な雰囲気さえ感じるが、奥の掩蔽部(兵舎)と弾薬庫を仕切る”点灯室”という通路のような細長い部屋があり、そこにランプを設置して両方の部屋を照らすようになっている。
 
現在はLEDのランタンが置かれていて、とても明るいがちょっと味気ない。
 
 
天井の穴は弾薬庫から砲台に繋がる高塁道(こうるいどう)という上部の通路へ砲弾を吊り上げるための穴。
ちょっとヒビ入ってますけど…💦
 
 
ホワイトバランスを変えるとより神秘的になる。
 
 
 
高塁道を経て砲台へ移動。
 
 
砲台の台座部分に出た。
 
 
この台座には28cm榴弾砲(りゅうだんほう)が設置されていたそうだ。
 
模型でもあればより臨場感が増すのだが…。
 
最大射程は7.8km。
砲弾の重量は217kgだ。
 
例えると中型~大型バイク🏍並みの重さである。
(例えがわかりにくいって…💦)
 
 
バイクが空を飛び船に当たったら…と考えれば…
…うん、ちょっと違うな💦
 
ちなみに私の"黒いバイク"が約200kgだ…💦
最近、体力減退のためか取り回し(押して歩く)がキツいのよね。
 
ちょっとだけ動画
 

 
 
 
そして最後に砲台の上部の丘に出る。
 
柵の向こうは砲台跡の一部だが現在は民有地で立ち入りできない。
 
 
砲台を上から見下ろすと周囲が”すり鉢状”になっているのがわかる。
 
 
海上の敵艦船から直接見えないように、すり鉢状にしていると思われる。
 
 
28cm榴弾砲は曲射砲といって砲弾を水平に飛ばすのではなく、空に向けて打ち上げ放物線を描いて船の甲板を貫くのが目的なので、砲台がすり鉢状で敵艦船が見えなくても攻撃できるとのこと。
 
どうやって狙うかというと、
高台に観測所があり双眼鏡などで距離を目測して、それを伝声管を通して砲台に伝えていたとのこと。
 
ちなみに観測所は自衛隊が使用していた時期に撤去されたそうだ。
 
 
実はここの砲台から敵艦船に向けて砲弾が発射されたことは無いそうだ。
 
東京湾にはこのような要塞が20ヶ所ほどあり、それが抑止力となって敵艦船が攻め入ることがなかったのではないか?
とのことである。
 
その後もあまりに活躍することがないため、設置されていた大砲は他の戦地へ転用されたそうだ。
 
 
太平洋戦争でもほとんど使われることはなく、忘れ去られて風化し、後に民有地となり、砲台跡が畑だったこともあったとか。
(一時期自衛隊が使用)
 
 
要塞の丘の上からは浦賀水道を挟んで富津方面まで見渡せる。
東京湾を監視する要塞としては絶好の立地である。
 
要塞として絶好の立地なだけに眺望はなかなか良い。
 
革ジャンの中は汗ばんでいたが丘の上はとても心地よい風が吹き、程よくクールダウンできた。
 
 
 
この丘の上でガイドツアーは解散となる。
 
時間にして1時間15分くらいとだいぶオーバーしたが、通常は立ち入れない場所も入れたり、いろいろ話も聞けるので時間がある方はガイドツアーをお勧めする。
 
 
その後、帰路で床屋に寄ったのかは…
ご妄想にお任せする。
(ご”想像”だろ…💦)
 
あー、アタマ軽くなってだいぶスッキリした💈。
(行ってるやん💦)
 
 
 
 
「東京湾要塞跡を探検する ~千代ケ崎砲台跡(横須賀市)~」
 
おわり