また電車に揺られながら図書館で借りた本を読んでいる。
 
これまた、”黒川伊保子”の著書「夫のトリセツ」。
 
 
以前ご紹介した「妻のトリセツ」の夫バージョン。
基本的には奥さんが読むバージョンだ。
 
「夫のトリセツ」を夫が読んでどないすんねん💦
とか突っ込まれそうだが、自分の事ではないにしろ、何を書かれているのか気になってしまって、悩んだあげくに借りてしまった。
 
まあザックリ言うと、夫婦仲むつまじく生きていくための指南書みたいなものだ。
(ザックリすぎ…💦)
 
その中で夫婦の”肌のふれあい”について書かれた部分があり、とても素敵な内容なので紹介しておく。
 
***
 
「1万回の握手」
 
(この話は著者の黒川氏が俳優の藤竜也さんと対談をした時の話です。)
 
 
当時、藤竜也さんは70代後半で奥さんは80代半ばだった。
 
藤さんは奥さんにどうしても触れたくなって、そっと腕(うで)に触れたら
「なに?ゴミでも着いてた?」
と聞かれてしまい
「うん、まあ」と応えた。
 
仲が悪いわけじゃないのに今さら触れ合うのにも理由がいるのだね、この年になると…。
と藤さんは照れ笑いをしたそうだ。
 
ある日、帰宅すると奥さんがソファで寝ていた。
急に不安に襲われ、思わず呼吸しているか確認したらしい。
 
そして藤さんは毎晩寝る前に奥さんと握手をすることに決めた。
 
「この年になるとお互い寝ている間に何が起こってもおかしくない。これが最後かもしれないじゃないか。」
 
ということで、毎晩『おやすみなさい』の握手をすることにしたそうだ。
 
そして藤さんは続けた。
 
「そしたら彼女の手が美しいんだよ。もちろん血管の浮き出た老人の手だよ。でも、美しいと感じるんだ。彼女の手が愛おしくて、時々涙が出る。」
 
黒川氏は胸を衝かれしばらく言葉を失った。
 
そして黒川氏はこう提唱する。
 
読者の方はなにも80歳まで待つことはない、60歳から始めれば90歳までに1万回の握手ができる。
 
1万回の握手をした相手、人生にこれほどかけがえの無い相手はいるだろうか。
 
…と。
 
 
んーん、深いねぇ。
美しい逸話ではないか…。
美しすぎて私もアレがポロリしてしまった。
(涙がこぼれた…でいいでしょ💦)
 
 
 
確かに最近、ワイフ~に触ってないような…💦
(触ると怒る…かもしれない💦💦)
 
変なところ触るより握手なら文句言われないかもね。
 
 
夫婦も長くやっていると、いつの間にか”ふれあう”ことを忘れがちだ。
 
お別れが来るその日まで、”ふれあい”を重ねていきたいと素直に思うネコさんぽであった。
 
 
以上