任天堂株式会社は都内でカンファレンス「NINTENDO DS Conference! 2005.秋」を開催し、年末から来期にかけて発売されるニンテンドーDSタイトルを一挙公開した。タイトルラインナップには任天堂の自社タイトルだけでなく、サードパーティの新作タイトルも含まれており、今後多数の対応ソフトが発売されることを感じさせるカンファレンスとなった。今回のカンファレンスは、発表会と体験会の2部構成となっており、本稿では発表内容について細かくお伝えしていく。
壇上に上がった岩田聡代表取締役社長は、ニンテンドーDSが9月末の時点で国内360万台を突破したことを明らかにし、「日本市場においては、100万台から150万台までは順調にいくが、200万台、300万台と超えて初めて普及したと言える」と、ニンテンドーDSが普及する段階に入ったという同社の考えを示した。
岩田氏は発売当初、ニンテンドーDSに対する意見として賛否両論があったことを明らかにし、それゆえに任天堂自らがマシンの特長を生かしたソフトを制作しなければならないという使命感を持ち、さらに店舗などへの試遊台の設置、同社の史上最大規模のイベント展開を実施。ゲーム好きなコア層のみならず一般層にもアピールしたと分析。
ここでひとつの例を挙げて、これまでのゲームとの違いを説明。9月19日の敬老の日前後にニンテンドーDS本体と「東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング (脳トレ)」が爆発的に売れ、なんと発売週の週販を超えたのだという。この例から岩田氏は「ゲーム人口の拡大にまで手応えを感じた」と自信いっぱいに語った。
このライトユーザー層に対するアプローチをここで終わらせては、ムーブメントが単発で終わってしまい、またゲームから離れてしまうとして、同社は今後も同様のソフトを継続的に発表していくという。今回その例としてあげられたのが、トランプゲームなど手軽に楽しめるゲームを多数収録したテーブルゲーム集「だれでもアソビ大全」、そして「脳トレ」の発展系となる「もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」と、どこでも英語の訓練が可能な「英語が苦手な大人のDSトレーニング えいご漬け」だ。
「英語が苦手な大人のDSトレーニング えいご漬け」は、まさに「脳トレ」と同様のスタイルで作られており、ユーザーはヒアリングして手書きで英語を入力していき、手書き認識で読み取りそのまま添削といった流れ。このほかにもマイク入力を使った訓練も収録されている。PCでも発売されているが、マイクデバイスを使っている点や毎日の成果がグラフなどで表示されるといったニンテンドーDS用に数々のカスタマイズがなされている。岩田氏はスリープ機能で、ちょっとした時間でどんどん訓練できるとアピール。2006年1月に3,800円で発売される予定となっている。
「脳を鍛える大人のDSトレーニング」はすでに80万本を販売しているが、岩田氏によれば、多くのユーザーから「もっと多様なトレーニングをしたい」という要望が寄せられたのだという。そこで開発されたのが本作だが、前作と重なるトレーニングはごくわずかだという。今回追加されているものとしては、漢字の書き取りや、四字熟語の穴埋め、新しいスタイルの計算トレーニングなどが用意されている。このソフトの位置づけはあくまでも前作をプレイした人を対象としており、初心者用として1作目のソフトの販売も続けていくとしている。発売は12月29日を予定しており、価格は2,800円。
■ 「ニンテンドー Wi-Fi コネクション」はソフトの発売と同時にサービス開始
ここで話題は「ニンテンドー Wi-Fi コネクション」に移った。年末に発売される2作品、「おいでよ どうぶつの森 (11月23日)」と「マリオカートDS (12月29日)」の発売と同時にネットワークサービスを開始するわけだが、1,000店舗の店頭に置かれることが予定されている「ニンテンドー Wi-Fi ステーション」は順調に設置が進んでおり、ソフトの発売と同時に楽しめる予定だという。さらに、3,000カ所のフリースポットからも楽しめる。
これまでから岩田氏は、ことあるごとにネットワークゲームをプレイする事に対して、障壁が高いことを上げていた。それは技術的であったり、心理的であったりするわけだが、任天堂の考え方として「カンタン、あんしん、無料」に徹底的にこだわったという。
“カンタン”という点では、技術的障壁を下げるために「ID、パスワードの入力を行なわない」といったところから検討に入ったという。1度接続すると、IDとパスワードは自動生成され本体にセーブされ、次回からユーザーは特に意識することなくアクセスすることができる。
また、バッファローの「AOSS」とNECアクセステクニカの「らくらく無線スタート」に対応することで、家庭の無線LANからの接続を簡略化させる。さらに、ブロードバンドに接続済みのWindows XPパソコンのUSBポートに接続し付属のソフトを実行するだけで、簡単に設定することが可能になる「ニンテンドーWi-Fi USBコネクタ」を開発。ネットワークへのアクセスに対して、徹底的に障壁を下げる方針だ。
キーワードの2つめの“あんしん”について岩田氏は、「これまでは、ゲームに時間を割くことができる熱心なゲームファンがネットワークゲームに参加していたから、あまり問題にならなかったが、心理的な障壁は少なからずあって、ネットの匿名性と表裏一体の難しい問題」と定義。
この点に対する答えとして、任天堂では友人だけがアクセスすることができるシステムと、誰もが一緒に無条件にアクセスすることができるシステムの2種類を用意。このどちらを採用するかはゲームの制作者にゆだねられている。たとえば年末に発売される「おいでよ どうぶつの森」では友人関係でしかアクセスすることはできないという。これはテキストメッセージのやりとりや、他のユーザーの森に行ってかなり色々なことができるため、際限なくいたずらされることなどを避けるためだという。ちなみに、友人とやりとりするためには12桁のフレンドコードが必要となる。このコードをやりとりすることで、双方でアクセスすることができる。
一方、「マリオカートDS」については誰もが一緒に無条件にアクセスできるスタイルを採用。見知らぬ人と対戦することが楽しいのであり、それが魅力のひとつというところからきている。
そして、3つめのこだわりが“無料”である。この点に関してはすでに表明済みだが、あくまでも普及させるための施策であり、他社の有料サービスを圧迫するとは考えていないと説明した。
岩田氏は最後に「ニンテンドーDSの真価を理解するのは難しく、ニンテンドーDSというハードの価値を証明するために、自社ソフト中心の展開となってしまったことは仕方がない。また、ゲームユーザーの枠を広げるために間口の広いソフトを制作してきたこともある。しかし、これまでにも言ったとおり、ゲームユーザーも満足する歯ごたえのあるソフトも発売されて初めて標準プラットフォームといえる。しかし、機は熟しました!」とサードパーティのソフト開発が徐々に進んでいることを表わすコメントで締めくくった。
また、カンファレンスの最後には、ニンテンドーDSの新作ラインアップビデオが流された。そこではカプコンの「バイオハザード Deadly Silence」や「逆転裁判4」の映像も少しながら公開され、今後のラインナップの充実がうかがい知れるようだった。
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20051005/nin1.htm