私は、以前、会社勤めをしていた頃から、健康診断の有効性に疑問を呈し、「胸のレントゲンで肺がんなんか分かるわけがない! ましてや車で撮る間接撮影だと、保浴びる放射線は強いし、フィルムは小さいしで、ええとこなし。」と言い、一人だけ別に直接撮影で撮っていたのだが、2005年に厚労省の研究班が、「最新の科学的知見に基づいた保健事業に係る調査研究」班(班長,福井次矢・聖路加国際病院長)として、健康診断の有効性に疑義を示す報告をしているのを、遅ればせながら知ったので、お知らせします。


 結果は、

 「血圧の測定」と,「飲酒」と「喫煙」に関する問診は,効果を示す十分な証拠があった

 「身長・体重の測定」は減量指導を充実すれば有効。

 糖尿病検査の「糖負荷試験」や、「うつ病を調べる問診」は、健診後の指導や治療の体制整備を条件に有効と評価された。

 健診が有効とされたのは以上の6項目のみ。

 他に2項目が判定保留となった。

 これ以外の16項目は「勧めるだけの根拠はない」「病気予防や悪化防止の証拠はない」などとされた


http://www.pure-renaissance.com/product/cardguard/07.pdf



 私のレントゲン検査無効を裏付ける点についても触れられている。

 

 胸部エックス線(レントゲン)検査については「肺がん検診としての有効性を支持する証拠はない」とした。

 別の研究班は2001年に「海外の研究では肺がんで死ぬ人を減らせないとの結果だが、国内の研究からみて日本の肺がん検診は有効」としており、評価が割れた。   

 今回は海外の研究が国内の研究より質が高いことを重視し、厳しい評価を下した。

 米政府の評価チームも昨年,日本の研究を含めた評価で同様の結論に達している


 他にも、身長体重の測定は、効果はそれほどないが、害にはならないからいいんじゃないの、とか。

 血中コレステロール値は、冠動脈疾患のおそれがあれば、3割以上の効果があるが、薬で下げる治療を行うならば、これだけに基づくなら効率が良くないので、費用対効果を考慮すべき、とも記されている。


 

 私は、「症状もないのであれば、できるだけ検査には行かない方がいいんじゃないですか。」と、患者さんには言っているが、検診で飯を食っている業界もあり、これを続ける事は失業対策にもなるし、検診を信じ切っている方も多いので、押しつけがましくは言わないようにしている。


 獣医師さんが、日本では絶滅し、ヨーロッパではその副作用から害悪とされている狂犬病の予防接種が、新患さん集めの有力な手段にになっている事から、「止めましょう」とは言わないのにも違和感があるが、これもワザワザ獣医師さんに詰問しませんしね。


 「信じるか信じないかはあなた次第」

 ではなく、メタボ検診も含めて、日本だけが科学的根拠に基づかない検査をするのは止めて頂きたいと、強く願っているのであります。