突然ですが、皆さんは聞こえなくて困ることはなんだと思いますか?

少し考えてみてください。



・発音ができない

・健聴者とのコミュニケーションがとれない


などが思い浮かぶと思います。



では、実際に私が聞こえなくて困ったことを紹介します。


あくまで私の実体験なので、聞こえない人が全員同じ悩みを持っている訳ではありません。ご了承ください。



1つ目は、機械の音が聞こえないことです。

具体的には、電車のアナウンスや校内放送、ラジオなどがこれにあたります。


私は音だけで100%何を言っているか理解出来る訳ではなく、話している人の口を見て何を言っているか理解します。これを読唇術といいます。


この理由から、私はあまり電話ができません。

電話をする時は必ずスピーカーで音を最大にしています。それでも、何度か聞きなおして理解しています。



2つ目は、大人数の中でコミュニケーションを取ることが困難なことです。


私の場合は自分を含めて3人までであれば、スムーズに会話に入ることが出来ます。


しかし、話し合いとなるとそうはいきません。

学校では少なくても4人、多い時は10人ほどで話し合う場面が出てきます。


読唇術で何を言っているのか理解するため、2人以上が同時に話し始めると分かりません。

机を横に並べての話し合いは、仮に自分が端にいても遠くの人の口は読めません。

また、円になって話していたとしても人数が多いとどこに目を向けていいか分かりません。


このことから、私は話し合いの際はついて行くのに必死で自分の意見どころではなくなります。



3つ目は、会話をしていてどうしても理解できなくて、何度も聞き返したとき、「もういい」「なんでもない」と突き放されることです。


迷惑をかけてしまっていることは理解しています。

同じことを何度も伝えることがだんだん億劫になるのも分かっています。


しかし、1度伝えようとしたことは最後まで伝えて欲しいです。


スマホで打つ、紙に書くなど、他の方法でもいいので伝えて欲しいです。


途中で突き放される度、もやもやが残り、「またか……」と思ってしまうのです。



大きくわけて3つ紹介しました。



これを読んで、発音困ったことないの?と疑問に思う方がいらっしゃるかもしれません。


私の場合は、自分の発音が原因とする人とのコミュニケーションに困ったことはありません。


私は、幼い頃から聞こえたように発音して言葉を覚えていました。

イントネーションも同時に細かく親に直されていたそうです。


何度も直し、発音し続けることで言葉のイントネーションの間違いも少なく、「発音がいいね」と驚かれることが多いです。


私の手術を担当してくださった先生や、元聾学校教員の方などにも褒められることが多いです。


聞こえないため、電話が難しいことを伝えないで電話をしたことがありますが、自分から聞こえないことを言うまでは耳が聞こえないとは疑わなかったそうです。

何度も聞き返すことに対して、「電波が悪いのかなと思った」と言われました。




最後に、これはあくまで私の困ったことであり、個人差があるものなので、「こんなことに困るんだなぁ」と思っていただければ幸いです。