注意ネタバレ満載です注意

劇場にて、8,9回目となる「メリー・ポピンズ リターンズ」の鑑賞をして参りました。
午前中に字幕版、午後から場所を移動して吹き替え版。



何度観てもロイヤルドルトン・ミュージックホールや小さな火を灯せのワクワクする気持ちがあったり、最後のビッグ・ベンのシーンでひゅーっと肝が冷えるあの感覚に襲われたり、観る度新鮮です。

先日、平原綾香さんが仰っていたのですが「悪夢に魘された子供たちに歌う「幸せのありか」にはお母さんはいつも見守っているという気持ちと、私のことを忘れないで、というメリーの気持ちがある」というそのお話を聴いてからあのシーンを観ると何とも言えず切ない気持ちになります。

吹き替え版では「なくらないものは、なくすことはない」
字幕版では「なくしていないものは、なくすことができない」

少しニュアンスの違う言葉ですが、それぞれの良さがありますよね。


想像できる?】
メリーを突っぱねていたアナベル。バスタブのシーンで泡にまみれながら眉間に皺を寄せつつも笑顔が抑えきれない表情がたまらなく可愛いです。あの「想像できる?」の魔法を見せるには子供たちが「自分から飛び込むこと」が必要だったんだろうなと思います。ジョージは自分から入りたい!と言っていたしそれを追いかけるジョン。私は今朝入ったから、というメリーに「もういい!」と飛び込んでいくアナベル。

それを見届けてからメリーも笑顔で「Off we go……!」


時間】
提督が刻む時とビッグ・ベンが刻む時、その差は約5分。

人を騙そうとする人に正しい時は訪れない。時間は正しい人に味方する。
そう言われている気がしたシーンでした。
あの提督の大砲とビッグ・ベンの鐘が合わさる時、何度観ても泣いてしまいます。

ドースJr.】
前作でバート、ドース・シニアの二役を演じたディック・ヴァン・ダイクが演じています。なんと御歳92歳。ジャックの差し出す手を当然のように頼ることなく執務机に乗り上げ、タップを踊る。その存在感は圧倒的ですね。また、彼を見守るエミリーたちのリスペクトに満ちた眼差しが前作「メリー・ポピンズ」という作品がいかに愛される作品であるかを物語っています。

ラストシーン】
最後の風船のシーン。ジャックがジェーンの風船を選んで渡すところで後ろで点灯夫仲間が冷やかしながら見守っているのもすきです。
ウィルキンズさんだけは舞い上がることが出来ませんでしたが、彼は身体に重りをつけて、沈んでしまう人、なのでしょう。その重りは彼の欲望なのかな。ただ長いものに巻かれろ精神のグッティングさんも自力では飛べずフライさんにしがみついているので、いらないプライドを捨てれば飛べるんです。
ウィルキンズさんはまだまだ捨てられない重りがあるんですね。彼の寂しそうな、羨ましそうな表情を見ていると彼が舞い上がる日が来るのもそう遠くなさそうです。

思い出したこと】
9回目の鑑賞にして、最後の最後に鮮明に自分の子供時代のことを思い出したのですが、未就学児のころ、アーチ状の虹がかかったそのふもとには宝物があると信じ込んでいました。
雨上がり、晴れ間が出る度虹を探していました。
今思うと宝物が何なのか、右と左どちらのふもとなのか色々ツッコミどころがあるのですが「大人になったら車の運転ができるから、虹が消える前に辿り着けるはず」と信じて疑っていなかったですね笑照れ

いつだったか雨上がりに虹が見当たらなかった時、ふと水たまりをみると虹が映り込んでいました。空に棒状に現れた虹でした。
あの時は「これは、そらにしかない宝物なんだ」と諦めたものです。

そんな懐かしい気持ちが鮮明に溢れてきてかなりノスタルジーなんですが、何でもかんでも説明が付く世の中、仕組みを調べられる時代、少しは不思議に思うことも残しておいた方が生きるのももっとドラマティックで楽しいかもしれませんね。

これで私のメリー・ポピンズ リターンズの映画館での鑑賞は終わりです。

ありがとう、メリー・ポピンズ。
メリー・ポピンズ リターンズについて思ったことをつらつらと書いてしまった文章です。

ベン・ウィショー演じるマイケルが歌う「A Conversation」

意味は「会話」
日本語版のタイトルは「君はどこへ」

1年前に亡くなった妻のケイトへ問いかける歌です。
以下簡単な意訳。文法等は参考にしないでくださいね。

“もう君とは長い間話をしていないよ“
“今日は全てが最悪の日、何とか方法を探してる“

“家中魔法にあふれていた“
“でもそれも消えてしまった、君がいなくなってから“

“今家の中は疑問だらけだ“
“ジョンは好奇心旺盛“
“娘の髪の梳かし方“
“何とか君のヒントを基にやっている“
“ジョージに言い聞かせる必要がある時、君は何と言うべきか知っていた“
“家族の会話が恋しい“
“今は静けさに包まれている、君がいなくなってから“

“冬は去った“
“けどそれはこの部屋からじゃない“
“雪は道から消えた“
“けど、桜は咲くのを忘れたまま“

“君が言ってくれたようにやっていくよ“
“君に抱きしめてもらうことは出来ないけど、頭の中君の声がきこえる“
“でもまだ、ひとつの疑問で僕の日々はいっぱいだ“
“そしてそれは、僕が最も知りたかった答え“
“君がいなくなってから、ずっと“
“僕の疑問は、ケイト“
“君はどこへ行ってしまったんだい?“

季節は変わろうとしているのにケイトを失ったバンクス家は冬のまま。
母親が居なくなってしまった分、何とか大人になろうとするジョンとアナベル。
まだまだ母親に甘えたかったであろうジョージ。

子どもたちはマイケルに心配をかけないように背伸びをしているし、マイケルは大変なことが重なって心の余裕がなくなり、子どもたちの気持ちとすれ違ってしまっている。

メリーが手助けしたのは「子どもが子どもでいられるように。あるべき姿であるように。」という思いなのか。

子どもたちが夜にうなされた時、エミリー・ブラント演じるメリー・ポピンズが歌う「The Place Where Lost Things Go/幸せのありか」
メリー・ポピンズ リターンズのテーマ曲でもありますね。
この歌が「A Conversation/君はどこへ」のAnswerなのかな、と思っています。

“あなたの思い出は、あなたが恐れていた通り消えてしまった“
“でも見えなくなってしまったようで、本当はまだ全てあなたのそばにある“
“跡形も無く消えて、何も残っていないみたい“
“でも何も無くなってなんていない、ここではないどこかへ行ってしまっただけなの“

“かくれんぼしている大切なものたちは、姿を現すべき時まで待ってくれている“
“春が今、雪の下にあるように“
“失くしたものが行く場所で隠れている“

“目を閉じて、眠りについて“
“夢を見る時、全てが見つかるわ“
“それは月の上かもしれないし、全く別の場所かもしれない“
“あなたが失ったすべてのものは、貴方の心で暮らしているのかも“

“あなたがお母さんとのふれあいや、愛おしい眼差しを必要とする時“
“触れられないけど、決して忘れはしない“
“こう言うべきね“
“彼女が輝かせた星の微笑み“
“いつもあなた達の成長を見守っているわ“
“失くしたものが行く場所で見つけだすの“

子どもたちは「何もなくなっていない。ここにいないだけ」ということをメリーから教わり、怒りと焦りと哀しみで心がぐちゃぐちゃのマイケルに教えてあげるんです。
子どもたちから教わるからこそ、よりマイケルの心に寄り添うことができる考えなんでしょうね。メリーは「私が言ったことは秘密に」ってジェスチャーしてました。

そしてマイケルは見つけます。
ジョンの歩き方
アナベルの瞳
ジョージの笑顔に彼女がいることを。

こうして見ているとメリーは大人びた子どもたちを助けにきたのももちろんですが、マイケルの心を救いにまたやってきたんだなって。
飄々と、スマートで何もかも完璧なメリーもマイケルやジェーンが子どもの心を忘れてしまった寂しさがあったのでしょうか。

先日の平原綾香さんJupiter基金チャリティーコンサートで「幸せのありか」の歌唱の前に平原さんは「お母様がいつも見守っているということと、私を忘れないで、という気持ちがある」と仰っていました。
自分がナニーをした子どもたちのことはずっと見守っているのでしょうか。だからマイケルの危機にまた風向きが変わったとやってきてくれたのでしょうか。今度は扉が開くまで。

ただメリー・ポピンズという人は何も説明をしないから。「来るべきだったから来た」そこに複雑なものは何も無いのかもしれない。





吹き替え版より「なくならないものは、なくすことはない」
平原綾香綾香さんの全国ツアー、最終日に参加してきました。

7/30と7/31の二日間、Bunkamuraオーチャードホールにて。まさに、圧巻のBest of あーや!って感じでした。

平原さんのコンサートに初めて参加したのは去年のツアー最終日、同じくBunkamura。

せっかく関東に引っ越してきたから気になるアーティストのライブはとにかく行っておこうと思って、その中の一人が平原さんでした。以前から好きな曲がたくさんあり、実際に聴くとただただ圧倒されて涙して一気にファンになっちゃいました。


セトリは

マスカット
おひさま~大切なあなたへ
スマイル  スマイル
星つむぎの歌
Time to say goodbye
アランフェス協奏曲~Spain
She 想
HAPPY
joyful,joyful
鼓動
未送信の恋
明日
LOVE
アリア-Air-

ーencoreー
Jupiter
わせねでや
STAR
空一面の

平原さんはいつも出しきれる全力で歌ってくれて伝えてくださるから本当に魂を削りながら私たちに色々なことを教えてくださっている気がします。
個人的にSTARや鼓動を歌ってくれたのが本当に嬉しい。STARは今度洋画のテーマソングになっているらしいのだけど平原さんが仰っていた「貴方がいない今日を貴方がくれた力で生きる」ということばが忘れられません。
まさに今がそんな感じだから。

平原さんがたくさんの忘れないでとありがとうとひとりじゃないを教えてくれて私自身がまた歩きはじめるきっかけになった2日間でした。



近くの席にいた初めて参加したらしき強面のお兄さんがどんどんノリノリになってきて最後に満っ面の笑みになってお帰りになっていたのが印象的です。

平原さんは私たちにたくさんありがとうを送ってくださったけれど、こちらの方こそ、ありがとうございます。
生きる力を思い出させてくれて最高のパフォーマンスを惜しみなく見せてくれて本当にありがとう!!!


これからのAcoustic STYLEも楽しみにしています。
どうかどうか、御体にだけは気をつけて。
5月28日 土曜日

in かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール

 

手嶌さんのコンサートにお邪魔するのはこれが3回目。

すみだ水族館も含めて良いならこれが4回目。

 

オープニングを飾る

「The Rose」

世界中で愛される曲。

デビューのきっかけとなったというこの曲はすっかり葵さん色になっています。

 

ゲド戦記歌集からデビュー曲の「テルーの唄」「ナナカマド」

 

私が初めて買った葵さんのアルバム「春の歌集」から「岸を離れる日」

生で聴くのは今回が初めてでした。

暫く聴いていなかったのもあって懐かしい感情がぶわっと。

 

こんな風に最近のコンサートではセットリストに入っていなかったものをたくさん歌ってくださいました。

 

手嶌さんの歌は彼女のお人柄がよくあらわれていて、優しくあたたかいのです。

丁寧に、1音1音置いてくださるような。

灯してくださるような。

自分も明日から優しい人間になれる気がして。


歌詞を間違えてしまうことがしばしばあったのですがギターのオオニシさんが巻き戻しー!と雰囲気を守ってくださって。拍手が起きたりして。

周りの方々が支えるのもただひとえに彼女の人柄だと思います。

手嶌さんのアルバムではRen'dez-vousが特に好きなのですがその中から普段歌わなすぎて可哀想ニヤリという「Baritone」を。
可愛らしい、色っぽさが表現されているので是非聞いてみてください。

10周年記念のコンサートということで、曲目もたくさんでした。
20曲以上歌ってくださっていると思います。

印象的だったのが「瑠璃色の地球」「moon river」「ちょっとしたもの」
「Bonjour Paris」マイケルの「Rock with you」などなどたくさんすぎて結局書ききれないのです照れ
Rock with youの時にピアノの方にハプニングが………!
スタッフさん………!!


ドラマの主題歌で話題になった「明日への手紙」も歌ってくださいましたよ。
シンガーソングライター池田綾子さんの作詞作曲。
池田さんのことは四国遍路の「時の旅人」で存じ上げていました。

不思議な何かが繋がって、世界が広がっていくのを感じています。

コンサートの終演後、対象のお客さんは手嶌さんと握手ができたのですが、たくさん与えて頂いた上で時間まで頂くのが申し訳ないと思いつつ、10周年おめでとうございますやコンサートの感想をお伝えしたかったので参加させていただきました。
おめでとうございますは言えたのですが後は文章がまとまらなくてとりとめのない話をしてしまいそうだったので「お手紙を出します…!」となってしまいました。
感謝をこめて。

手嶌さんの歌を聞いたことがない方も癒されて楽しめるコンサートだと思います。
自分の人となりを今一度考え直す時間でもあります。
12月に中野サンプラザで追加公演があるようですので、是非行ってみてください!
詳細は後日公式HPで発表だそうです。