新聞解説よりわかる!2014年税制改正大綱「給与所得控除の見直し」(前篇)の解説 | 歌う税金教室  税理士冨永英里のオフィシャルブログ

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こんにちは、こんにちは、商工会議所、出版社・テレビなどメディアからオファーのある税理士ーの冨永英里です。

会計事務所や会社の経理部は今、年末調整の真っ最中だと思います。

わたしが出演しているこのDVD、なかなか手に入らないものでしたが、
やっと手元にとどきました!
やった~!
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今日の税制改正大綱のテーマから

「給与所得控除の見直し(前編)」を送ります。

(※すいません、一度に書いたらものすごーく長くなってしまったので2回に分けます)

前編では、そもそも給与所得控除ってな~に?ってところを解説しています。

☆改正内容
給与所得控除の見直し
平成28 年より、給与等の収入金額が1,200 万円を超える場合
の給与所得控除の上限を230 万円とし、平成29 年より、
給与等の収入金額が1,000 万円を超える場合の
給与所得控除の上限を220 万円とする。

改正の背景
給与所得控除については、税制抜本改革法において、そのあり方
について検討することとされている。
現行の水準は、所得税の課税ベースを大きく浸食しており、
実際の給与所得者の勤務関連支出に比しても、また、
主要国の概算控除額との比較においても
過大となっていることから、
中長期的には主要国並みの控除水準とすべく、
漸次適正化のための見直しが必要である。
このため、当面、特に高所得の給与所得者に係る
給与所得控除の見直しを行う。

以下は記者とエリの会話形式で解説しています。
今回から記者さんとの会話をもっと柔らかくするために名前をつけました(#^.^#)
30才、雑誌の編集者、独身の大輔くんです。
(昭和58年生まれの名前ベスト1(明治安田生命より)の名前をつけました)


記者
「今日は税制改正大綱に書かれている給与所得控除の見直しについて教えてください」


エリ
「わかりました。ところで大輔くん、給与所得控除ってなんだかわかりますか?」

記者
「なんとなくわかるようでわからないような。。。。」

エリ
「ではそこから説明しますね。給与所得控除とは給与所得者に
認められた<みなし必要経費>なんです。
よく会社にお勤めのサラリーマンの人たちが、
俺たちには必要経費認められていないのに、
経営者とかフリーランスの人は経費が認められていて
ずるいよな~
という方がいらっしゃいますが、正確な表現ではありません」

記者
「う~ん、でも実際には、
サラリーマンやOLなんかは自分で領収書をもらって
必要経費とか自分で計算しないですよね。
それに対して社長やフリーランスの人は
よく領収書、領収書って言っているような気がします」

エリ
「ではちょっとこれを見てください」
photo:01




記者
「あ、これって12月になるといつも
お給料明細に同封されているやつですね。」

エリ
「そう、源泉徴収票といいます。
この源泉徴収票にはいろんな情報が詰まっている
のですが、この書類から給与所得控除が
いくらあるのかがわかるのですが、大輔くんはわかりますか?」

記者
「そうなんですか。。。どれどれ。。。。
 う~ん、すいません、よくわかりません」

エリ
 「では一緒にみていきましょう。
まずは年収。
一般的に年収といったら税込の金額をいうので、
この場合は源泉徴収票左の「支払金額」をいいます。
ちなみにこの方は年収は?

記者
「font color="#FF1493">14,400,000円が年収です!。」

エリ
「では次、14,400,000円のとなりの項目と数字を見てください」


記者
「ええっと、ああ、ここです、11,980,000円と書いてあるところですね、
あ、その数字の上に給与所得控除後の金額と書いてあります

エリ
「そう<給与所得控除後の金額>ということは?」

記者
支払金額が14,400,000円で、給与所得控除後の金額が11,980,000円だから、その差額が給与所得控除となるのではないですか?」


エリ
「ご名答!では、給与所得控除はいくらになりますか?」

記者
「はい、242万円になります」

エリ
「そうそう、その242万円が14,400,000万の年収の人に認められた<必要経費>
ということになります。そして11,980,000円から所得控除などを引いたりして所
得税を計算していきます。」

記者
「ということは、個人事業主でいえば、売り上げが14,400,000万で必要経費が
242万で、利益が11,980,000円というイメージですね。
ところでこの給与所得控除ってどうやって決められているんですか?

エリ
「これは、法律であらかじめ決まっています。給与の金額によって給与所得控除
がいくらになるかの表があります。実は少ない人ほど割合的には大目に設定されています。
たとえばよくパートのお給料の所得税が0円になるのは103万円って聞いたことがありますよね?」

記者
「はい、僕の母もパートをしているので知っています、103万!」

エリ
「103万円のパートが所得税が0円になるのはこの給与所得控除に関係があります。
 103万円の方の場合は給与所得控除が65万円認められるのですよ。」

記者
「なるほど・・・103万円に対して65万ということは、半分以上の<みなし必要経費>が認められているということなんですね。103万から65万を引くと38万。エリ先生、このままだと38万円に税金がかかってきますか?」

エリ
「大輔くん、所得税の計算には、基礎控除が38万円認められています。この基礎控除を引くとちょうど0円になりますよね?」

記者
「ああ、ほんとだ。だから103万円は所得税が0円になるんですね」

エリ
「さあ、話をもとに戻すわよ。このように給与所得控除は、給与をいくらもらうかによって変わってきます。正確には、<所得税法別表第五(年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表>で求めるのですが、ここに速算表があるので参考にしてくださいね」

photo:02



エリ
「この速算表は今年H25年分からの給与所得控除。H24年分までは、この給与所得控除に上限はなく青天井でした。それがH25年から1500万の上限でストップ。
そして今回の税制改正大綱ではその改正が進んだということになります。
今日は給与所得控除の説明だけで時間がかかったけど、給与所得者の所得税のしくみを知らないと改正内容もピンとこないと思うの。次回はこの改正の内容について詳しくみていきますね」

記者
「はい、どうぞよろしくお願い致します!」

では後編に続きます~(#^.^#)