なかなか深いお言葉です。

中山七里さんのミステリー「さよならドビュッシー」より

原文は、主人公の祖父の台詞として書かれています。


「わしの考えでは、これが欲しいあんな風になりたいとかの

希望やら願望は果実みたいなモノや。若いうちに食せば滋養にも美容にもなろう。

しかし時を経れば果実は傷み、腐る。腐った果実は毒素を持つ。


当然、それを食し続ける者は腹の内から蝕まれていく。

そして現実と喧嘩する力を失のうていく。」



夢や希望は、毒にも薬にもなるということを、

果実にたとえて、わかりやすく語ってくれています。



これを読んで思い出したのが、「仮面ライダー555」の名台詞


「夢ってのは、呪いと同じなんだよ」


自分の夢に呪縛されてしまった友人を

哀れんだ主人公の一人がつぶやく台詞です。


木場「知っているかな…。夢っていうのは呪いと同じなんだよ。

途中で挫折した者はずっと呪われたまま、らしい。」


この台詞と対になるかのように、もう一人の主人公が、夢への憧憬を語ります。


巧「おい知ってるか!夢を持つとな、時々すっごいせつなくなるが、

時々すっごい熱くなる、らしいぜ。俺には夢はない。

だがな、夢を守ることはできる。」


この台詞も、忘れられません。