モデレーターは橋爪紳也さん

パネリストは、
国立民族学博物館教授 吉田憲司さん テーマ「万博から民博(民俗学博物館)へ」
シンガーソングライター 嘉門達夫さん テーマ「夢は、万博になること」 
現代美術作家 ヤノベケンジさん  テーマ「万博跡地は未来の廃墟」

気になった発言

吉田さん
「上海万博は、大阪万博に比べてインパクトが無い。
 大阪万博は、想像もできない未来を可視化するのがコンセプト。
 上海万博は、実現可能な未来を一堂に会して集める展示会。」
「中国館より高い建造物は、上海万博では許されていない。
 いわば、中華思想。だが、万博とは、そもそも中華思想、国家の威信を示すもの。
 国家が見渡せる権威を集めて俯瞰できるようにした装置が万博。
 そういう意味では、大阪万博が異質。」
「未来を提示する装置としての万博はもう機能しないかもしれないが、
 祭りとしての機能は生き続けるし、求められ続けるだろう。」

嘉門さん
「コンパニオンを口説いたり、動く外国人を初めてみたり、
 万博で、その後の人生をだいぶ予行演習させてもらった。」
「俺らの世代で、万博みたいなイベントをやりたい。
 そのとき必要なのが、唄と笑い」
「自分は三池炭鉱の観光大使をやっている。廃坑は、極めて万博的だ。
 遊園地などのインフラもある。だから、いつか三池で万博をやりたい。

ヤノベさん
「太陽の塔は、所謂太陽と同時に、核の光も暗示している。それが岡本太郎のメッセージ」
「博覧会があるなら、ぜひ声をかけて欲しい。ネタはいくらでもある。」
「橋下知事に、少しでもアートに関心を注いで欲しい。」
「丹下健三さんが設計した大屋根を、ぶち壊して巨大なこけしを建てたのが岡本太郎さん。
 そういう怪獣対決が見られたのが万博の醍醐味。そんな個人のべらぼうなパワーが
 大阪万博以降、見られただろうか」


橋爪さん
「戦争を契機に、古い世代が新しい世代に権威を移譲したのが大阪万博だった。」
「上海万博のプレーヤーが気にしているのは、ポスト万博。
 無から有を生み出した万博が、パッケージ化され空洞化される経緯を目の当たりにし、
 そして今、意味のあるものとして再構築する作業を経過してきた我々の声を
 中国は聞きたがっている。」

いい議論でした。
居合わせて、仕合わせでした。


嘉門さんの唄も、良かったなぁ・・・。