こんにちは
ソプラノの田川えりです
本日の振り返り記録ですが…
大切な地元、名古屋でオペラに出演したときのことを振り返り書きます。
1年ほど前
名古屋市のちくさ座にて、モーツァルト作曲「見てくれの馬鹿娘」に出演しました
※こちらも過去のチラシです。。ごめんなさい
やまのてオペラでは、2度目の出演をさせていただき
前回はグルック作曲「改心した酔っ払い」でのマリー役でした。
簡単にオペラの説明をさせていただきます
モーツァルトの初期オペラの「見てくれの馬鹿娘」
大の女性嫌いである兄弟、兄のドン・カッサンドロ、弟のドン・ポリドーロ。
その妹のジャチンタは軍人フラカッソと結婚をしたいのですが…それすら許してくれません。
そこであの手この手を使い、結婚を許してもらうようにします。
ではどのように彼らの心を変えさせるのか…
それは彼らが恋に落ちた時、女性がどれほど魅力的か、そして愛する人と結婚したいと思わせるか。
しかも兄弟を2人同時に。
その方法を考えたのは…彼ら兄弟のお屋敷のお手伝いさんであるニネッタ。
そしてその彼女も恋人シモーネ(フラカッソの部下)と結婚したいため、主人の気持ちを変えさせようと
フラカッソの姉、ロジーナに協力してもらい計画を実行していきます。
果たして兄弟は恋に落ちるのか…
そしてジャチンタやニネッタたちは無事結婚できるのでしょうか…
1言でまとめるならば
ドタバタラブコメディー
ですね
モーツァルトの作品は
オペラ・ブッファ(喜歌劇)と言われるものが多く
そして、大きな特徴といえるのはお手伝いさんが重要な役割となっていることです。
代表作でもある「フィガロの結婚」ではフィガロやスザンナが、自分よりも上の身分である伯爵を改心させるための計画をしますし
「コジ・ファン・トゥッテ」はお手伝いさんのデスピーナが恋の指南をしたり、変装して計画に乗っかります。
この作品は特に「コジ・ファン・トゥッテ」につながるところが大きいのではないかと思います。
さてさて…
今回私が演じましたニネッタですが…
お手伝いさんの身分でありながら、ご主人たちを騙すことも
そして何よりも恋人を完全に手のひらで転がしていました笑
実は恋人シモーネ、当初は結婚したくない・自由に恋愛したいという考えの人ですが
途中で結婚したい気持ちに変えさせたのもニネッタです。
彼女は頭の回転も速く、冗談も言える、そしてこの時代にしては珍しいのですが
お手伝いさんの身分でありながら、文字の読み書きができました。
身分に関係なく物怖じせず、自分というものをしっかり持っていることも彼女の魅力のひとつ。
上に書いたことは、演じるうえで楽譜や台本から読み取り
作曲家がどのようなイメージをしていたか、キャラクターを研究しながら本番までに作り上げていきます。
これはオペラに限らず、歌曲でも楽譜や詩から読み取り、研究を重ねています。
肝心の本番日ですが
たくさんのお客様にお越しいただき、楽しんでいただいたことがとてもうれしかったです
この時は、2日連続公演でした
この直前の1週間ではオケ合わせや実際にホールでの稽古、リハ―サル…
大変な中でも楽しく歌わせていただいていましたが…
それは共演した皆さんが本当に素敵で素敵で
歌・音楽性・演技…本当に素晴らしくたくさんの刺激をいただいており…
そして和気あいあいとした雰囲気の中で稽古できたことが何よりもうれしかったです
こちらは1幕フィナーレ
フィナーレの中で、ご主人様に謝り方(土下座)を教えていましたが
そのシーンが最高に好きでした
そして最後はみんなハッピー
…みんなハッピーじゃなさそうでした。笑
そんなとても楽しいオペラにも出演させていただいておりました
本当に何故ブログ書かなかったのか、悔やまれます
そして私のお気に入り
ニネッタのアリアでの1シーンです
今後、出演したオペラや演奏会
面白いオペラなどについて、書いてみます
それでは