悲報
昔むかしの話です。
幼い頃、初めての家族旅行。
初めての上野動物園。
我が家は父の仕事が忙しく、旅行どころか家族四人で外食に出かける事自体めったになく、ましてや外で何かおやつを買ってもらって食べるなんてことも不衛生だと言う理由で皆無でした。
なのでその日、私は初めて尽くしで興奮していました。気分は最高潮です。
あちこちの動物を見て回り、楽しくて楽しくて、やがて喉が渇き、動物園の中の売店でソフトクリームを見つけると思いきって父にねだりました。
すると、ちゃんとベンチで座って食べるなら良いだろう、とお許しが出たのです!
初めてのソフトクリーム!
二歳上の姉と二人、大興奮で母をせっつきソフトクリームを買ってもらいに売店へ走りました!
今でも忘れません。
ポニーテールの優しそうなお姉さんが売店のカウンターの向こうから、小さい私が落とさない様に丁寧に渡してくれた、白く美しい美味しそうなソフトクリーム…
美味しそう!美味しそう!と思いながらも落とさない様に、しっかり水平を保ちながらゆっくり父の待つベンチまで両手で持っていきました!
途中の危険な木の根っこや段差や歩き回る鳩の群れにも負けず、私は無事ベンチにたどり着いたのです!後から来る姉と母を待ち、無事四人揃った所でようやく
『いただきまーす!!』
ワクワクとそのソフトクリームに口をつけようとした瞬間です。
バサバサバサバサ……‼‼
後ろで鳩が一斉に飛び立つ音がしました。と同時に何かが、
ヒューーー…ずぼーッ!!
…私の目の前でソフトクリームに!
白く美しいクリームロールを突き破ってその何かが大きな穴を開けたのです!!!
初め何が起こったのか分かりませんでした。ただ、舐めようとしたその寸前、目の前に落ちてきたものが開けたその大きな穴に先ずショックを受けました。まだヒト舐めもしていなかった美しいクリームが無惨に崩され大きな穴が開いてしまった事にです。
そして覗くと中になにやら濁った塊が…
母の言葉でそれは鳩が落としていった糞だと分かりました。
父は爆笑していました。また見事に綺麗に落ちたなぁ!と笑っていました。母は汚いからそれはもう捨てなさい。と言いました。
私の初めての!まだ一口も食べていなかった美しいソフトクリーム!一口も食べずに捨てなさいと言われてそれなのに父は笑い転げていて無性に悲しくなって私は泣き出しました。
泣いている私の手から鳩の糞入りの大きな穴のあいたソフトクリームを取り上げて姉が代わりに捨ててくれて、自分の分のソフトクリームを差し出してはくれましたが、それでも私は泣き止みませんでした。
ベンチに座る小さい子供の持つソフトクリームに真上から綺麗にストレートにズボリと落ちてきた鳩の糞。マンガみたいです。
端からみたら滑稽な構図です。父が爆笑するのも今ならわかります。頭や服に落ちなくて良かったじゃないかと言うのも一理はあります。
でも!あの時の私にとってはあのソフトクリームは宝物でした。
初めてお許しが出て、
初めて食べるソフトクリーム!
どんなに私がそのヒト舐めを楽しみにしていたことか!
今でも忘れません
あの時の幼い私は爆笑する父が本当に本当に恨めしかった。
あれ以来、鳩の群れが嫌いです…
食べ物の恨みは恐ろしいのですよw
昔むかしの話です。
幼い頃、初めての家族旅行。
初めての上野動物園。
我が家は父の仕事が忙しく、旅行どころか家族四人で外食に出かける事自体めったになく、ましてや外で何かおやつを買ってもらって食べるなんてことも不衛生だと言う理由で皆無でした。
なのでその日、私は初めて尽くしで興奮していました。気分は最高潮です。
あちこちの動物を見て回り、楽しくて楽しくて、やがて喉が渇き、動物園の中の売店でソフトクリームを見つけると思いきって父にねだりました。
すると、ちゃんとベンチで座って食べるなら良いだろう、とお許しが出たのです!
初めてのソフトクリーム!
二歳上の姉と二人、大興奮で母をせっつきソフトクリームを買ってもらいに売店へ走りました!
今でも忘れません。
ポニーテールの優しそうなお姉さんが売店のカウンターの向こうから、小さい私が落とさない様に丁寧に渡してくれた、白く美しい美味しそうなソフトクリーム…
美味しそう!美味しそう!と思いながらも落とさない様に、しっかり水平を保ちながらゆっくり父の待つベンチまで両手で持っていきました!
途中の危険な木の根っこや段差や歩き回る鳩の群れにも負けず、私は無事ベンチにたどり着いたのです!後から来る姉と母を待ち、無事四人揃った所でようやく
『いただきまーす!!』
ワクワクとそのソフトクリームに口をつけようとした瞬間です。
バサバサバサバサ……‼‼
後ろで鳩が一斉に飛び立つ音がしました。と同時に何かが、
ヒューーー…ずぼーッ!!
…私の目の前でソフトクリームに!
白く美しいクリームロールを突き破ってその何かが大きな穴を開けたのです!!!
初め何が起こったのか分かりませんでした。ただ、舐めようとしたその寸前、目の前に落ちてきたものが開けたその大きな穴に先ずショックを受けました。まだヒト舐めもしていなかった美しいクリームが無惨に崩され大きな穴が開いてしまった事にです。
そして覗くと中になにやら濁った塊が…
母の言葉でそれは鳩が落としていった糞だと分かりました。
父は爆笑していました。また見事に綺麗に落ちたなぁ!と笑っていました。母は汚いからそれはもう捨てなさい。と言いました。
私の初めての!まだ一口も食べていなかった美しいソフトクリーム!一口も食べずに捨てなさいと言われてそれなのに父は笑い転げていて無性に悲しくなって私は泣き出しました。
泣いている私の手から鳩の糞入りの大きな穴のあいたソフトクリームを取り上げて姉が代わりに捨ててくれて、自分の分のソフトクリームを差し出してはくれましたが、それでも私は泣き止みませんでした。
ベンチに座る小さい子供の持つソフトクリームに真上から綺麗にストレートにズボリと落ちてきた鳩の糞。マンガみたいです。
端からみたら滑稽な構図です。父が爆笑するのも今ならわかります。頭や服に落ちなくて良かったじゃないかと言うのも一理はあります。
でも!あの時の私にとってはあのソフトクリームは宝物でした。
初めてお許しが出て、
初めて食べるソフトクリーム!
どんなに私がそのヒト舐めを楽しみにしていたことか!
今でも忘れません
あの時の幼い私は爆笑する父が本当に本当に恨めしかった。
あれ以来、鳩の群れが嫌いです…
食べ物の恨みは恐ろしいのですよw