ニュースで「自殺」という言葉をよく耳にする毎日。正直死にたくなるほどの苦痛を味わうことがなかった一年前の私は「なんで自殺なんかするんだろう・・・」「残された人がつらい。」「何も、死ななくてもいつか笑える日が来るかもしれないのに」などと思っていました。ですが今は違います。なぜなら一年の間で私から見える世界は大きく変わってしまったからです。

 

大学入学を機に田舎を出て大阪で一人暮らしをすることにした私は、「あれもしたい。これもしたい。こんなところに行きたいな。」「どんなバイトをしようかな」など見たこともない未知の世界に期待でいっぱいでした。「きっと最高の4年間になるんだ」なんて思いながら・・・。ある日、部活動の練習中に息ができなくなり過呼吸を起こしました。経験したことのない苦しさ、体のしびれに襲われこのまま死んでしまうのでは。と思うほどでした。しかし数分で収まり、ただの疲れだろう。と顧問の先生と話し、いつものようにアパートに戻りました。次の日、練習試合のため電車に乗る際、扉が閉まった瞬間激しい恐怖で頭が真っ白になりました。それからは電車、ショッピングモール、楽しみにしていた大学の授業など人が集まる場所に行くたび同じように発作が起き、次第に外に出ることが怖くなりました。病院での診断結果はパニック障害。今までに聞いたことはありましたが実際にその場に遭遇したことも見たことも無かった私は戸惑いもありましたが同時に病名が下されたことへの安心感がありました。しかし、それを周りに理解をしてもらうことは難しいことでした。大半の人は「考えすぎだよ。楽にやりなよ。」などと言いました。時には「甘えるなよ。お前だけが辛いわけじゃない。」と言われることもありました。私を待っていたのはきらきら光っている大学生活とは真逆の全く色のない白黒の毎日でした。

 

 なぜ自ら死を選ぶ人がいるのか。今の私なら少し理解できる気がします。

死にたいわけではなく、生きていたくない。生きる以外の選択肢は死ぬことしかないから。死ぬより生きるほうが10倍も20倍も辛いから。だったらいっそのこと死んでやる。

 

生きる。死ぬ。それ以外の選択肢がもしあるとすればそれは一体何なのでしょうか。生きずらさを抱える人が増えるこの世の中でそれでも生きていくためには何が必要なのでしょうか。皆さんは今何を思いますか。

 

ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。