~キュヒョンside~
あ~あ、ゲームの裏技について自慢したいことが盛りだくさんなのに、肝心のチャンミナが捕まらない。
今日も待ち構えてたシウォンさんに連れていかれた。
俺だって、暫くはチームの人達から離れて2人、こっそり弁当食べようなんて考えていたのに。
「ちょっとトイレ~。」
クラスの奴らにひとこと言って照り返しのひどいアスファルトを歩いていく。
ふと見たら、・・・シウォンさん?
その後に少し離れて、・・ユノヒョン、と、・・え?チャンミナ?
腕をとられて引っ張られるように歩いていく。
遠目から見たら手を繋いでるように見えて、あれ、マズくないか?
小走りに近付いたら、真っ先に俺に気づいたチャンミナが。
「キュ、キュヒョンッ!」
思いきり伸ばした手でガシッと掴まれ、
うわっ!///
ユノヒョンとチャンミナ、・・それと俺。
男3人がなぜか繋がって、───どこに向かっているのかも分からないまま。
───────う、気まずい////
中庭の校舎の影。
見るからに気合いのこもった何人前かと聞きたくなるほどの弁当。
そして笑ってるけど笑ってないソヨンさん。
小さく目的地が見えてきたところで、焦ったチャンミナがユノヒョンの手を振りほどき、それでも俺の手は握ったまま。
ピクッと一瞬ユノヒョンが反応したけど、当然でしょ?
この人はちょっと空気がよめないところがあるから困る。
常に彼女がいて、・・それもころころ変わる。
今回の女子達の騒ぎで、初めてソヨンさんと続いてることを知った。
そろそろ半年?
先輩達の話では最長記録らしい。
───彼女に対してあまりに淡白で、振られるのもあっという間なんだよ、アイツは。
先輩に聞いた話。
そういえば部活後、彼女と帰るよりも部員とのお好み焼きが最優先だったよな。
そんなユノヒョンがめずらしくチャンミナには執着をみせるから話が厄介になるんだよ。
集団になった女子達の観察力と団結力は怖いくらいだ。
誰かひとりがポツリと言ったらしい。
────ユノって、あの新入りのイケメンくんの事、異常に気に入ってない?
そうなったらもう駄目。
噂に尾ひれがついてひとり歩き。
ユノヒョンのことは何でも噂になりやすいうえに、相手がチャンミナ。
タイプの違うイケメンが並ぶとちょっと迫力がある。
俺から見ても、何とも言えない雰囲気を醸しだしてる2人なんだよな。
ソヨンさんの後釜を常に狙ってる女子達からしたら大問題なのか?
よく分かんないけど。
なんて、突っ立ったまま考えていたら、クイッとチャンミナに腕を引かれ、ユノヒョン達から少し離れた場所に座りこんだ。
「おまえら、食わねーの?」
美味しそうに弁当をつつくシウォンさんが口いっぱいに頬ばりながら聞いてくる。
チラッとチャンミナと目があって。
「あ、大丈夫です。」と、俺。
「ユノ?どうしたの?あんまり食べないね。」
ソヨンさんが心配そうにユノヒョンを覗きこんでる。
ちょっとした沈黙。
「あっ!」と、急に立ち上がったチャンミナが、荷物だけ置きっぱなしだからって焦ったように戻っていく。
あ、俺も・・、言いかけたところで。
「ユノさんは、たった今チャンミンのおにぎり食ったばっかですもんね?」
卵焼きをパクッと口に入れて、楽しそうに笑いながらシウォンさんが言った。
*****************
いつもありがとうございます(^_^)ゞ
momokoさんの《cheering2》が19話コメント欄よりお楽しみいただけます!
─────なぁ、チャンミナ。
なんだったんだろうな。
あの暑い夏の数日間は・・。
って、そんなお話(・_・、)キュ~ン