思考の整理学
思考の整理学 / 外山滋比古(筑摩書房)衝撃だったのは、わたしが生まれるよりも前に、学校教育の問題性について語られていたこと。コンピューターによって、人間の仕事がなくなるこが書かれていたこと。そんな時から、言われたことをただやるだけ、覚えるだけの教育は意味がない(グライダー型)と言っているのに、いまだに変わらない学校教育と、成績信仰。いいアイデアを思いついたらメモる。ひたすらメモしておく。そうすると、忘れてもいい。頭の中から一旦消す。ずっと考えていてもだめ。「見つめる鍋は煮えない」メモを読み返してみて、これはいいなと思ったアイデアはまた別のノートに書き写してみる。またいいなと思ったのは、本命のノートに。そうやって寝かせて、アイデアを膨らませてゆく。ずっと考えていてもしかたないし、時には身体を動かしたり、専門家じゃない人と喋ったりして、色んなところからアイデアの刺激をもらうこと。セレンディピティ。忘れるのは大事で、忘れることによって脳みその容量が空いて、考えるスペースになる。カードによる整理も有効。とにかく、インプットしたものはアウトプットすること。とにかく書く。知っていることを、収斂させること。知識の体系にしてしまうことも大事。一般化することで、簡単になる。その例がことわざ。一方で、普段の生活に紐づいた知識や、知恵も大事で、かつ、求められる創造的な思考は、拡散的な思考。最後がコンピューターの章。知識の記憶、たくさんの引き出しと出し入れ。それができて優秀とされていたけど、そんなのもう意味ないよねって。時代は30年でAIまで進化。人工知能は、もはや提案もできる。ますます人間の仕事は考えることしかない、覚えるとか、言われたことだけやるなんて本当に無意味。学校の評価基準が旧いままだから、グライダー人間がよしとされ、飛行機人間は冷遇される。基準が塗り替えられないと、本当に社会の役に立つ人間を育成するのは難しいな。