
車の中にて
これは嘘のようだが、本当に私が中学生のころに体験した話。
今回は、私がインドネシアにいた時の
専属のドライバーさんのお話。
彼の名前は
ブスタミさん。
もう60歳をすぎている優しいおじいちゃんのような方。
学校の登下校ではいつもお世話になっていた。
交わす言葉はいつも決まってて、
「何時に終わるね、よろしくね」
(必要最低限のインドネシア語しか喋らない、てか喋れない)
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私は大の遅刻魔だ
その日もいつものようにぎりぎりに家をでた
私の運転手さんは車のドアを開けてしっかりとスタンバイ
私はあわてて家を飛び出したため
つま先まで足をいれずに靴を履いて家を出た
車にのりこみ、いつものように靴は履かずに足をあげて車にのった
(中学生です、行儀悪いのは許してください)
普通の日常
あの事件がなければ
車を走らせてから数分後、車の中から妙な鳴き声が聞こえた。
「げこっ」
ん?
…この鳴き声
奇妙な鳴き声は下から聞こえてきたが、
下にあるものといえば靴。
ふと、自分の靴を見てみる。
「え」
靴をよくみると、そこには黒い影が。
靴のつま先
何かいる。
その時の私は、怖いもの知らずだったのだろう。
靴の中にいるものを確かめたくて
自分の二足の靴をそっと持ち上げた
そして、靴をそっとおいた
「おもい。右足の靴が」
これは…
「かえるだ」
私はつたないインドネシア語で運転手さんに助けを求めた。
車は渋滞にひっかかっている。
今がチャンスと言わんばかりに
運転手さんは後ろを振り向き私の靴を慎重にとった
そして、渋滞で車が停車しているすきに自らのドアをあけ
私の靴をおもいっきり振り、蛙を道路に逃したのだ
(し、しなんの技)
運転手さんは何事もなかったかのように
笑顔でその靴を私に返した
スマートすぎる対応に拍手
「テリマカシ」
(ありがとう)
完結