一人で生家に行ってきました。山近い三角屋根の一軒家は、もう紅葉。庭の木もほぼ切り終えて、静かに取り壊しに備えています。
1~2週間のうちには、解体作業に入る予定。
この写真は4年前、父のお墓参りのついでに寄った時。その時すでに母はマンションに移って空き家状態でしたが、ピアノはまだ残っていました。
手前がヤマハのフルコンサート、奥がスタンウェイ。
それが、今は…
ガラ~ン!寂しいとかショックというより、よくここまで片付けた!母がようやく気持ちの整理を付けたことも労いたいし、業者さんもよくやってくれた!
2段鍵盤のチェンバロの置いてあったリビングも…
(こんなに大きな楽器がリビングにあったので、一家4人+お手伝いさんは「チェンバロの下にミカン箱を置いてご飯を食べていた」ようなものでした)
私は片付けには全く参加しませんでした。メンタルの不安を母も理解してくれて、「アンタが来ても泣くだけだから来なくていい」と。役立たずな長女です!
こちらの写真は、ピアノ搬出前の片付けに参加した妹の写メより。
捨てる物、保存する物。膨大な楽譜だけは、母が1冊ずつ吟味して現在の(マンションの)ピアノルームに運んだそうですよ。
スタンウェイは、おそらく調律して現在のピアノルームに入ることになるでしょうが
問題はチェンバロです!調律というか、部品交換して復元するには400万円もかかるそう!(写真は空っぽになった楽譜棚。昔はこれが満杯でした)
お金の問題だけなら、子供である私も協力して…とも思いましたが
チェンバロを復元できる職人さんが少ないために、「何年かかるかわからない」というのが問題。母いわく、自分の生きているうちには終わらないかもと。
私が引き取りたいのはヤマヤマですが、夫の老後は狭くても便利な都心暮らしが良いし…楽器を置くスペースを考えると人生設計も変わってくるなぁ~
チェンバロの行く末を考えて、自分の老後にまで思い及んだ最後の生家訪問でありました。おかげで、あまりおセンチにならずに済みましたヨ♪
*生家の楽器の写真と、母が家の取り壊しを決意するのに長期を要した背景については、良かったら「2周年セレクション③チェンバロ 」の記事もどうぞ。