ブログ2周年記念・くまきちベストセレクション3日目は、あまり目になさったことがない楽器かも。私の生まれ育った家にあった「チェンバロ」という古楽器と、家族にまつわる昨年記事です。
◆生家の2段チェンバロ。 09年8月17日
父のお墓が私の生まれた家と近いので、久々に寄ってみました。私が「実家」と呼ぶのは母のマンション。生家は一軒家でした。
今は倉庫がわりになっている生家。狭い家に楽器もたくさんありました。よくも一家4人(+お手伝いさん)が住んでいたものです。
2段鍵盤のチェンバロも、当時のままありました。
父の遺品などが雑然と積んであるので遠景は撮れませんでしたが、リビングの真ん中にこんな大きな楽器があったんですよ!
楽器の下にちゃぶ台を置いてご飯食べたものだわねと、たまに家族で笑い話をしますが、あながち事実に遠からずでした。
リビングの隣の部屋にはグランドピアノが2台。手前はヤマハのフルコンサート。奥の方、黒い布がかけてあるのはスタンウェイ。
ピアノの道には進まなかった私ですが、もし母から何か一つもらえるならスタンウェイと思う程、温かく包み込む音色でした。
「でした」というのは…もう過去形になりつつあるから。
父が他界してしばらく、母はこの一軒家に頑張って住みました。ピアノの生徒さんも通ってくれました。しかし高齢になるにつれ、
一軒家の一人住まいが次第に辛く…。そしてピアノのレッスンは出稽古・あるいは外部スタジオでするようになりました。だから今、これらの楽器は「倉庫のガラクタ」同然の保管状態なのです。
母がチェンバロで演奏し、私も好きになったバッハのゴルトベルク変奏曲。弾きかけましたが、もはやちゃんとした音は鳴らず。
勿体無いけれど、母が長い間この家に手を付けられなかった気持ちはわかります。13回忌まで、いや、やっぱり17回忌まで待って…父との思い出があって、処分できずにいたのです。
先日、実家のマンションに新しいグランドピアノが搬入されました。弾く気・教える気マンマンです。防音工事も完璧でないのに!
下の階にアンタが住めば防音不要でしょ?…勝手に決めてる~
ようやく母もふっきれたのかな。終の住み家のイメージを描くのには、夫の急死から17年超の歳月が必要だったのでしょう。
◆◆◆
ちょうど昨年のお盆の頃の記事でした。父の墓参りのついでに寄った生家。父の遺品や古い楽器などの整理については、単にモノの問題ではなく母の気持ちや今後の生き方にも関わる部分。
思いやりの無い長女=私は母に、いい加減に処分しなさい!と言いますが…今年も手つかずなのを知って逆に安心したり。
最近もご紹介した小グマの絵は、私のベビーベッドに亡父が描いたもの。楽譜と製図用の定規を持っています。生家は、若かりし父が実習を兼ねて自らデザインした部分もあったようでした。
今年こそ母は、古い家の整理に着手するでしょうか?
今はマンションの上階をピアノルームにすべく、お気に入りの家具を運び入れたり新たに買ったりしてルンルンの母。椅子の後ろに写っているのが、新しく搬入されたグランドピアノです。
花火見物の特等席としてだけでなく、母の演奏やレッスン風景もここで再び見られるかもしれません。生家で見ていたように。
明日は、「くま○○」。