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 102日、人生3度目となるパタゴニア地方へ移動した。やはりここの風に当たらないとアルゼンチンに来た気がしない。リオ・ガシェゴスの空港で出迎えてくれたのは、前回の旅で受け入れをしてくれた、スサーナ・ブストス。彼女は私との再会に涙を流しながら喜んでくれた。

「前勤めていたアウトドアの経理は辞めて、今は石油の会社で働き始めたの」

仕事以外は、3年前と肩下まである髪の長さも、アルゼンチン人らしい語尾を伸ばして話す話し方も、家の内装も何も変わっていない。

 リオ・ガシェゴスに着いた日は、スーサンの友達のシルビアさんの家でアーサド(BBQ)をご馳走になった。アルゼンチンの夕食は非常に遅い時間から始まるが、それにしても23時から食べ始めたのでは遅過ぎる。アサードは結局朝まで胃の中でグズグズして、朝食がほとんど入らなかった。」

 

 「前回ERIKOが来た時は冬でどこにも連れて行けなかったけど、今回は任せてね!」


 私が山が好きなのを知っている彼女は、山好きなら誰もが憧れる土地である、
El Chalten(エルチャルテン)への旅を準備してくれた。アサードをご馳走してくれたシルビアさんも一緒に、パタゴニアのまっすぐな大地をひた走る。360℃見渡す限りの大平原とゆっくり移りゆく大きな景色。私がこの土地が好きなのは、厳かな景色と厳しい自然環境にあるにもかかわらず、切なさと謙虚さを感じるこの雰囲気にある。



Chorrillo del Salto チョリジョ・デル・サルト

 

「あなたは何も払わなくていいから、ここに水曜日まで滞在して、El Calafateエル・カラファテを観光してリオ・ガジェゴスに週末帰ってきてね」

と言って、初日にミニトレッキングを楽しんだ翌日、彼女たちは「仕事があるから」と車でリオ・ガジェゴスへ戻っていった。

 

 本当にラテンの人たちは、ホスピタリティーに溢れている。私の7日間の寝泊まりまで、ホステルを経営している友人を通じて手配してくれたのだ。スペイン語が話せるとラテンの地ではこんなことはざらにある。そして彼らがすごいのは、彼らが一番得をしていると思っているところである。

「人を幸せにすることが、自分が一番幸せを感じる近道なの」と胸を張って言う。

 

 久しぶりに山の中に入って、何もかもが洗われていくようで、身体中が喜びの悲鳴をあげている。約1週間、トレッキング三昧の日々を楽しみたいと思う。


Mirador de los condores 突然現れてくれた2匹のコンドル




⭐︎La comida de hoy 今日のご飯⭐︎


              羊のパタゴニア風

ERIKO