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朝11時、ヘルシンキの中央駅から、ヘンナちゃんに見送られてアレグロという電車に乗り込んだ。目的地のサンクトペテルブルグまでは3時間半で到着する。乗客のほとんどがロシア人で、聞こえてくるロシア語のアナウンスや話し声に気持ちがほっとする。
サンクトは5年前に語学留学をしていた場所で、これまで訪れた中でも、大好きな国の一つである。
人がある土地のことを思うとき、そこには必ず人との思い出がある。いくら景色や文化が素晴らしくとも、その国へ戻りたいと思うとき、思い出すのは人との出会いや触れ合いであると思う。
サンクトの街が近づくと、ダッチャで畑仕事している人達が見えてくる。ダッチャとはロシア人の別荘で、週末はそこへ行って畑仕事や農作業をし、そこで収穫したものを日々の生活に役立てる。農耕民族の名残りであると思うが、ロシア人の80%以上が持っている別宅だ。なんて懐かしいんだろう。以前ホームステイをしていた家族のターニャは元気だろうか。
電車の中ではオフィサーが巡回して、出国審査と入国審査が席に座ったまま行われた。
ホームを出ると、友達のリサが待っていてくれた。彼女に会うのは3年振り。一人で大丈夫だと言ったのに、わざわざ来てくれたのだ。
今回のホームステイ先は、Airbnbという会社を通じて見つけた。初めて利用するが、海外では主流になっていて、ブラジルのW杯の時にはブラジル政府がホテル建設の代わりに推奨した、ホームステイ型の宿泊検索サイトである。2020年の日本のオリンピックの時は、たくさんの人が利用するようになるだろう。
ステイ先の最寄駅で、ホストらしき人に間違って声をかけた。すると、「あら、私じゃないのよ。あなたどこから来たの?」と話が弾み、そのおばあちゃんと連絡先まで交換した。ロシア人は本当に人懐っこくて、親切。ボディタッチはラテン人並みで、人情溢れるところが私は大好きだ。
約束の時間の5分前に現れた滞在先のエレーナさんは、なんと英語のできる友達らと3人の大所帯で迎えにきてくれた。私がロシア語を話すと、「なーんだ、よかったわ。英語しか話さないと思って、英語を話す友人にも来てもらったのよ。私英語全く話せないのよね」と安心した様子。
クバルチーラ(ロシア式の集合アパート)に到着して、リサや彼らにお礼を言って、さっそく夕食にボルシュ(ボルシチ)をご馳走になった。久しぶりに食べる懐かしい味。これは毎日食べても飽きない美味しさ。明日から語学学校が始まる。懐かしい先生たちに会えるのを楽しみしている。
⭐︎今日のご飯
ERIKO