牛舎を案内してくれた 酪農家のアヌさん



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 気温11℃、随分と暖かく感じる今朝。日曜日らしく朝はゆっくりと過ごし、午後から家の近くの農場へ連れて行ってもらった。
 フィンランドの食卓に並ぶ半分は乳製品。年間、
136ℓの牛乳(日本は40ℓ)、アイスクリームには関しては13.4ℓと、ヨーロッパで一番食べられている。

 私は牛が大好きで、牛も私に寄ってくる。牛舎に入ると、みんなが柵から顔を突き出して私の様子を伺ってきた。撫でるととても喜んで、ぺろぺろなめてくる。牛も犬同様、顎の辺りを撫でてあげるととても喜ぶ。

 50頭の牛を飼育しているマンニネンさん一家。主人のマルコさんに変わって、流暢な英語を話す奥さんのアヌさんがとても丁寧に案内し説明してくれた。彼女が牛の名前を呼びながら戯れる姿から、とても可愛がっているのが伝わってきた。

「女の子はここに残すのだけど、男の子は大きくなったら売るの。その時がこの仕事で一番辛いときね。みんな私たちの子供みたいだから」

 私たちが帰ろうとするとき、一匹の子牛が柵から脱走した。3人の子供たちと夫婦で牛を楽しそうに追いかける。なんとも朗らかな光景だった。

 お昼は肉じゃがのようなスープを食べて、ローパンネンさんの息子の家にお邪魔した。息子のミッコさん夫婦が住むのは集合住宅。フィンランド人の理想的な住まいである森の一軒家とは差はあるが、冬の道路の雪かきが家賃に含まれているため、手間が省けるそう。
 奥さんと共働きで、2人の子供を育てている。家事も子育ても半々。子供達は非常にシャイで、最後まで直接会話できなかった。これがラテンの子供なら、すぐに膝の上にのってくるというのに。一体この違いは何なのだろうか。




           芸術家支援財団のセレモニーのオペラ

 

 夜は、家族のシィルッカさんが参加する財団のセレモニーに同行した。年に1度、およそ80名の芸術家や研究者たちがそれぞれの活動の寄付金を受け取れる日である。シベリウスのピアノ演奏に始まり、オペラや演劇が披露され、表彰式に移り、フィンランドタンゴの演奏でセレモニーは終わった。

 寄付金を受け取れる芸術家の幅も広く、科学者、写真家、日本語研究者、フィンランド語の教師など様々で、高い人で
25,000ユーロ以上受け取っている人もいた。
 財団の寄付は、お金持ちや、死んだ後の遺産を寄付する人たちが多いのだそう。見返りは、特になし。この寄付金を受け取った芸術家で、のちに一人立ちできるようになる人は非常に多いのだそう。

 日本にもこのような機関はあるのかもしれないが、私自身は初めて目にした。私も来年エントリーしてみようか・・・
 セレモニー後の特別な食事会にも招待してもらい、カレリア地方に住む人たちの色々な話を聞くことができた。

 明日は朝からシィルッカさんが校長を務める音楽学校の職場に同行させてもらう。朝起きれるかな・・・笑



      財団のスタッフの皆さんと 職種は皆さんバラバラ


ERIKO