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エネルギッシュなヤリさんと若々しい奥さんのアンネさんとの生活が始まった。ヤリさんは建物や家の修理をする会社を営み、アンネさんは看護婦として働いている。
フィンランドには、ある年数連続して働くと、長期休暇が取れるシステムがある。アンネさんはそれを利用して、4ヶ月間の休みを取っている最中だ。その間職場では、彼女の仕事のポジションを他の人が経験できるようになる。来月からは大好きなイスラエルへヘブライ語の学校へ行くのだという。ヤリさんも現在夏休みで、休暇を満喫している。
家はヘルシンキの中心から20分ほどの閑静な住宅街にある。2LDKのマンションで、私はリビングに布団を敷いて寝させてもらっている。マットレスがふかふかでとっても寝心地が良い。ベランダの窓は全てガラス張りになっていて、春~夏の期間、たくさんの光が取り入れられるように工夫されている。
ヤリさんは、私の滞在中の毎日のスケジュールをすでに立ててくれていた。今日は、HERTIという自然センターや、ヘルシンキ中心街を案内してもらった。彼らとは昨日会ったばかりとは思えないほど打ち解けている。
フィンランド人は無口で、沈黙を好む人種だと聞いていたが、ヤリさんは、時間さえあればずっと喋っているほどの話好き。張り出したお腹をさすりながら、「脱いだら6パックだけど、見た目は1ビッグパックだね」と冗談を言いながら、和ませてくれる。
夕方はサウナへ出かけた。実は昨日も到着早々に、彼らの住んでいるマンションに付いているサウナに入った。サウナという言葉は、きっと日本、そして世界で一番知られているフィンランド語ではないだろうか。
フィンランド国内にサウナは200万個以上あり、フィンランド人全員が同時に入るに足りる数と言われている。昔はサウナで出産をしたり、人の遺体を洗ったり、結婚前夜やクリスマスイブなどの大切な行事の時に使われていた神聖な場所である。思えば、グアテマラでマヤのシャーマンと儀式を行う前、サウナに入って体を清めてから始めていた。何か共通するものがあるのだろうか。
これまで私はサウナに入るとすぐ体がだるくなり、3分以上もいられなかったが、フィンランドのサウナは格別だ。呼吸器官がすっとして楽になり、体の毒素が外へ全て出て行くようなデトックス感。火照った体を湖で冷やすのも気持ちよかった。
フィンランドに来て24時間も経たない間に2回もサウナに入った。アンネさんとも初対面でから裸の付き合いになったこともあり、距離が一気に縮まった。しかしサウナの後は毎回ひどい眠気に襲われるな・・・
ERIKO