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 フローレスで宿泊しているホテルの目の前は、ペテン・イツッア湖が一望できる角部屋。ISTMO TRAVELの松本さんの心使いは、彼女が旅行に同行しなくても感じられる。

 フローレス
2日目は、ティカル遺跡から30km南東へ下ったヤシャ遺跡を訪ねた。
“緑の水”という意味を持つヤシャ遺跡は一般的にあまり知られていない遺跡だが、マヤ時代には商業の中心都市として栄えた、大変重要な役割を果たしていた場所であったと言われている。

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分遅れで到着したガイドさんは、昨日と同じオスカーさんだった。
『明日のツアーもオスカーさんだったらいいのにな~』と冗談混じりに話していたら、会社にお願いして調節してくれたようだった。






 ヤシャ・ナクム・ナランホ国立公園の敷地面積は37,160ヘクタール。この3つの遺跡はトライアングルの位置関係をなしており、もう一つのポトシュテ遺跡は、船で2時間渡った島にあり、後古典期の建築様式を見ることができる。

 今日はヤシャ遺跡一点に絞って見て回ることにした。
ヤシャ遺跡は
1831年にスペイン人のドン・フアン・ガリンドルによって発見された。ティカル遺跡と比べると規模は小さく、神殿や建造物の立地は、オリオン座の星の配置と同様になっている。




ヤシャの遺跡配置図をガイドのオスカーさんが体を使って説明。赤い点が打ってあるオリオン座の星と同じ配置に遺跡がある。


 野生のホエザル達の声がジャングルにこだますると、そのジャガーにも似た鳴き声に背中がゾクゾクするような恐怖心を感じる。




                 神殿2 16の頂上付近



 メインの
2 16神殿へ登る。ティカルもそうだったが、遺跡内の施設は観光用にしっかり整備されていて、神殿の上までは石段ではなく、隣りに設置された階段で登ることができる。
神殿の上からは、ジャクス・ハー湖とサク・ナップ湖が見渡せ、湖の岸を沿うようにして豊かなジャングルの木々が生い茂っている。まさに頂上まで上がって来た者へのご褒美である。






                 神殿の上から見た景色


 遺跡を出ると見事なタイミングで雨が降り出した。ヤシャ遺跡は観光客が少なく、まだまだ知られていない場所ではあるが、現地の人達はティカルよりも好きだという人が多い、私もそのうちの一人である。グアテマラ最後の日は、期待を越えた絶景で幕を閉じた。

 3週間のグアテマラ滞在を振り返ってみる。ホンジュラスから来た私がまず驚いたのは、グアテマラ人の礼儀の良さだった。ラテンの国とは言いがたいほど、人々は遠回しに丁寧な言葉を選び、挨拶をする時に頭を下げる人も多い。田舎の方では“マント”と呼ばれる、子供達がお礼を言う時に手を合わせてお辞儀をするという習慣のある地域もあった。

 相手を尊重しながらも、ラテンの人々が持つ心の広さも持っている。大都市のグアテマラでは、車道の真ん中で車が故障すると、すぐに車やバイクを降りて、真っ先に助け合う人々をよく見かけた。
こんなこともあった、アンティグアで夜道に迷いホテルへ帰れなくなった私を見たある親切な夫婦は、車でホテルまで送ってくれたのだった。

 グアテマラでは、特にマヤの末裔達が現代の生活をどのように生きているかに興味があった。
きっとマヤの精神的な世界に従事する人達は、一般の人達とは住んでいる所も考え方も別離しているだろうと思っていたが、今でもマヤのシャーマニズムが現代文化の中に色濃く残り、西洋思考が先行する世の中で、マヤのスピリチュアリズムを信じる人達もたくさん存在していることを感じた。
なにより、マヤのシャーマンとの生活とセッションは、私の人生の中でも大きなターニングポイントになる経験だった。

 グアテマラは奥が深い。例えるなら、もぐら叩きのように、一つのことを知ったと思えば、全く違うところから謎がひょっこり出てくる。
私の
3週間の滞在だけでは把握するには到底不可能なほどの多くの民族、言語、習慣があり、他の国々で国内を旅すると感じるような共通する“なにか”を感じる機会は少なく、違う土地を訪れる度に、まるでマヤの都市国家のような“それぞれが独立した空間”を持っているように感じた。それがきっとグアテマラの一番の魅力だろう。

 グアテマラ市で出会った染織家の児嶋先生には、滞在中随分お世話になった。毎日私のブログを見て頂き、ご指摘とどこを調べても載っていないであろう知識を惜しげなく与えて下さった。私にとって先生はグアテマラの生き字引であり、温かく見守ってくれる親のような存在である。
先生に心から感謝を申し上げたい。


 Corazón del Cielo, Corazón de la Tierra
 
   天のこころ 地のこころ 


 グアテマラの青い青い空の下にいつまでも人々の笑顔が絶えないことを願って。



☆El plato del hoy☆ 今日のご飯


Pollo a horno con salsa de Ramon  鶏肉ラモンソース
ラモンは数々の栄養素が詰まった植物の種。シチューのような味で絶品でした。

ERIKO

This trip supported byISTUMO TRAVEL