AMDAの皆さん


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 ホンジュラス最終日。テグシガルパの古い街並が残るレオナ地区にある、AMDA社会開発機構グループの事務所を訪ねた。AMDAは岡山県に本部を置く、貧困の軽減と健康の増進に取り組んでいる国際協力NGO団体である。対応してくれた山田さんと浦上さんは、ここホンジュラスでの支援事業に取り組んでいる。事務所は小さな子供達が走り回っている公園の近くにあり、ホンジュラス人スタッフが数名パソコンに向かって作業をしている。山田さんと浦上さんは今日のテグシガルパのどんよりとした曇り空を忘れてしまいそうなくらい、とても明るく、ハキハキしている。

 AMDAはHIV対策、山奥の村に妊婦の家を設置したり、警察と連携して地域の少年達がマラス(少年ギャング集団)へ走るのを防ぐ指導などを行っている。彼女らが実際に村の奥地に入り、妊婦さんがどのような状況で生活しているのかなどの話しを伺った。

 『大きなお腹で川や森を越えて診療所へ行く大変さや、出産にまつわる基本的な知識がないために命を落としてしまう人を見て来ました。私たちの妊婦の家を建てる活動や、知識を指導することで、村の人達が変わっていく姿に感動します』

 私も実際に訪問したかったが、治安面を考慮して今回は断念した。しかし彼女達の話しや写真からその様子はリアルに伝わってくる。

 『せっかくなので、Picacho(ピカチョ)を案内します』と言って、テグシガルパが一望できる1,200mの丘の上へ連れて行ってくれた。巨大なキリストが立つ展望台からは、天気のせいか少し寂しい柿色の屋根で丘に囲まれたテグシガルパが見えた。彼女達の明るさは、風邪と、出国を控えた少し複雑な私の気持ちを吹き飛ばしてくれた。大抵私は出国前、気持ちの不安定さからあまり寝れなくなる。人は変化に弱い生き物であるとつくづく感じる瞬間である。




               テグシガルパの町


 午後は学校訪問へ向かった。Liceo Hondureño Japones(ホンジュラス日本学校)を訪ねた。高い塀に囲まれた入り口を入ると、“日本文化週間”と書かれた日本の国旗が見える。今日は習字の授業があるということで見学させてもらった。教室へ入ると、生徒たちが『おはようございます』と挨拶してくれた。日本人の米沢先生が丁寧に生徒達に日本語だけで書道の指導している。子供達は手本を見ながら筆先をこまめに整えて練習している。

 LHJは校長先生であるクリスティーナさんが、教育者であった牧口常三郎の思想に出会い感銘を受けて設立した、幼稚園~中学校の私立校である。日本人の規律や礼儀を子供に学ばせたいと入学させる親が多いのだそう。授業は英語ベースに行われており、スペイン語、日本語、音楽などの特別教科が組み込まれている。日本人の少ないホンジュラスにこのような学校があることにも驚いたが、国の機関を通じてではなく、単身で教師として来ている米沢先生は特に印象的だった。



                                                               日本文化週間の様子




                                  校長先生のクリスティーナさんと右:米沢先生



 ホンジュラスの締めくくりは、滞在中お世話になった、在ホンジュラス日本大使館の加来大使公邸で、旅の感想などの話しをさせてもらった。加来大使は大変協力的で、気さくになんでも話して下さる謙虚な方だった。私のホンジュラスの旅が有意義になったのも、大使を始めとする大使館の皆さんのお陰である。本当にありがとうございました。


先日のTIEMPO取材記事です。
http://www.tiempo.hn/portada/noticias/modelo-japonesa-descubre-el-alma-de-latinoamerica

ERIKO