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テグシガルパの空港には、ハビエルのおばさんのフランシスさんと、おじさんのダゴベルトさんが待っていてくれた。
3日間滞在させてもらう家は“ケネディー”という、アメリカのケネディー元大統領の支援で作られた地区内にある。
細長い道の両脇に民家が密集して立っている一つに彼らの家はある。
家は小さなパティオを挟んで2カ所に分かれており、離れには彼らの息子夫婦と子供2人が住んでいる。
昨晩はホンジュラス国内旅行の話しや彼らの生活などについて話しをした。
今日は日曜か。私も溜っていた洗濯物を済ませた。もうすぐ雨期が始まる頃なのだろう、空は少し曇っている。
ホンジュラスで車の部品販売をされている日本人の鈴木さんにお会いした。奥さんと息子さんと一緒に遠い所からわざわざ家の近くまで来てもらい、近くのオープンカフェで話しをした。
鈴木さんは以前働いていた会社でホンジュラス、アジア、中米に駐在し、14年前からホンジュラスで会社を経営されている。この地で商売を営む大変さや治安が悪化する前のホンジュラスの話しを聞かせてもらった。
ホンジュラスには、Impuesto Guerraと呼ばれる、日本語ではなんというか忘れてしまったが、所謂要求された金額を支払わなければ殺されてしまうという手口の強盗が非常に多い。鈴木さんは何度もその被害に遭われた方の一人だか、それでも逞しく経営を続けている。
人間は時に自分の意志とは反した試練を与えられるのだろうと思った。そしてその経験から人の気持ちが分かったり、誰かに優しくなれたりするのだろう。
『ホンジュラスに来た頃は、随分こちらの人に助けられましたから』
笑顔で話す鈴木さんには穏やかだった頃のホンジュラスが目に浮かんでいるようだった。
家へ戻るとすっかり乾いた洗濯物がベッドの上にたたんである。フランシスさんと軽い夕食を食べながら話し込み、夜8時にはみんなそれぞれの部屋へ入っていった。
ERIKO