
ロアタン島のガリフナの家族
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土曜の朝は子供達の学校がないので家が静かだ。外に出るとアレックスさんが庭で作業をし、奥さんのキャサリンさんは台所で朝食の準備をしている。オートミールを食べ終わる頃にはホエルさんが迎えに来た。
ほんの2日間の滞在だったが、ガリフナ族が一番初めに居住をしたプンタ・ゴルダという場所で、ガリフナの家族と過ごせたのは貴重な体験だった。国の教育方針でガリフナ語での学校授業は行われなくなったが、今でもこの地区の人々はガリフナの言語、習慣、文化を保っている。
ガリフナの人と会ったのは初めてだったが、先住民とはいってもホンジュラス人でもある彼らは、温厚で心優しい人達だった。
約束していた宿泊費をアレックスさんに渡すと、『妻に渡してくれ』と言われ、キャサリンさんに渡すと、『旦那に渡して』というので、無理矢理ポケットの中にお札をたたんで入れた。
『娘たちにとってもとてもいい刺激になったよ、ありがとう』とPunta Gordaと書いてある手作りのキーホルダーをプレゼントしてくれた。
『最後に一番綺麗な海を・・・』とホエルさんが、観光地としても有名なWest Bayへ連れて行ってくれた。ロアタン島で最後に見た一番美しいビーチだった。
ホテルやリゾート施設も充実していて、たくさんの観光客で賑わっている。ロアタン島の人はこの暑い気候にも関わらず働き者が多く、私がこれまで滞在したカリブの島々とはまた違う印象を受けた。
アフリカ系イギリス人、ガリフナ、イギリス人と地区も人種ごとに分かれており、政治もセクションによって違う。とても興味深い島だった。
昼食にはホエルさんの従兄弟がわざわざお別れを言いに来てくれ、彼がごちそうまでしてくれた。ホンジュラス人の出会った人を大切にする気持ちやホスピタリティーには毎回脱帽する。
1日前に私が来ると聞いて、宿泊先を当たり、車で島中を連れていってくれたホエルさん。最後は空港で見送りをしてくれた後、私の記事が載った新聞をわざわざ買って再び空港まで届けてくれた。ホンジュラス国内を知るたび、人々に出会うたび、この国の豊かさは彼らの心そのものであると痛感する。
たまたま誕生日休暇で彼女と一緒にロアタンへ行くことになったサモラノでお世話になったハビエルと空港で出会い、お礼とお別れをしてテグシガルパへ戻った。
Enchiliadas エンチリアーダス カリカリのトウモロコシベースの生地に野菜やひき肉が入ったピリ辛料理
ERIKO