マングローブのトンネル


5/24

 昨日あまり話しが出来なかったアレックスさんの奥さん、キャサリンさんと朝食を取りながら話しをする。彼女は同じロアタン島でも主に英語が話されている場所の出身で、母国語は英語である。
『当時学校ではスペイン語だけだったから、英語を使うとひどい罰を受けたわ』

 私の滞在しているプンタ・ゴルダは、ガリフナの人達が住んでいる地区で、ここで生まれた旦那のアレックスさんはガリフナ語、英語、スペイン語を話す。
キャサリンさんは私の熱が下がるようにと、フィーバーグラスと呼ばれる葉っぱで作ったお茶を出してくれた。よもぎの味そっくりでほっとする。

 ホエルさんが迎えに来てくれ、ロアタン島2日目が始まる。昨日盛大に行われたお誕生日会で彼は、『とても良い誕生日を迎えられた』と満足そうだった。空を見上げると太陽の周りに見事な白虹ができている。
『暈がでると妊婦さんは外へ出ちゃいけないって言われてるんだよ。出ると子供が問題を持って生まれてくるって』
何度も見たことはあったが、そんな言い伝えがあったなんて知らなかった。

 ホエルさんの家の近くの船着き場で、マングローグへ行ってくれるボートを探す。屋根付きのボートは出払っていたので、
20ドルから15ドルに値段を交渉し、出発した。交渉せずに物を買うことが圧倒的に少ない生活のためか、交渉力は日々ぐんぐん上がってきている。最近は顔を見ただけで交渉可能な人物か分かるようになって来た。





 海沿いに立つ家々や多彩な海の色の変化を見ながらボートは進む。マングローブ地帯に差し掛かると、生命力溢れる根っこを露にしたマングローブのトンネルが現れた。小さなカニたちが根を伝って歩いている。
ひらけた場所へ出ると、そこはエメラルドグリーンの海とマングローブの緑が広がっている。絵に描いたような景色と言われる景色があるなら、それはまさにこのことであろう。



                  Camp Bayビーチ


 今日は波が少し荒れていたが、学校が終わったホエルさんの娘のジャスミンと奥さんでCamp Bayビーチへ向かった。砂は真っ白で海水の温度も高く気持ちが良い。
カリブ海は水質が他の海水と異なるのか、水に浸かるとふわふわした気持ちになる極楽感がある。水が柔らかく滑らかなのだ。

 家に戻るとアレックスさんの娘や親戚の子供達が集まっていた。子供達は昨日から来たアジア人の来訪者に興味深々で『どこから来たの~?』『雪見たことある?』などと聞いて来る。観光客は見慣れていても、現地人の家に外国人が泊まることはほとんどないからだ。
彼らが大きくなったとき、少しでも日本という場所があるということを思い出してくれたらと思いながら彼らとの時間を過ごした。

☆El plato del hoy  今日のご飯☆


ロアタン島の定番 “マチューカ” 魚、伊勢エビ、貝の入ったスープにペースト状のプラタノ(食用バナナ)と一緒に食べる。スープはクリーミーで美味しい。

ERIKO