バレアーダスの店


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 カリム家の朝は早い。朝6時前には、お手伝いさん3人が総出で子供達の学校の支度をする。家にいる5人姉妹は驚くほどそれぞれ性格が違うが、どの子も積極的で存在感がある。六女のアシュリーは兄弟の中でも一番活発で、家の中でもおかまいなくサッカーボールを蹴り散らして、お姉さんたちに怒られている。




               奥さんのエレーナさん


 今日は娘のエイミさんと昨日取材に来てくれたTiempoの新聞記者ロベルトさんで、コルテス県にある、Pulah Pansak(プラ・パンサック)というアスレチックパークを訪ねる。
朝ご飯には、カリムさん一家が経営するお店のすぐ側の出店で、ホンジュラスの定番朝ご飯“バレアーダス”を食べ、出発した。
お店にはカリムさんの奥さんのエレーナさんが働いている。
7人の子持ちとは思えないほどのスリムな体系と美しい顔立ちをした女性である。






 プラ・パンサックではガイドのマウリシオさんが待っていてくれた。水色の美しい川では観光客が気持ちよさそうに泳いでいる。ロッジの周りではプールや小さなトレーニングルームでランニングしている人達もいる。
この場所の見所は、なんといっても豪快な滝である。まずはカノピーでパーク内を周り、ラストは滝を見下ろすようにして端から端まで渡った。水しぶきに太陽の光があたり、何本もの虹の上を渡っているようだった。





 滝の側まで到着し、水着に着替え、ここからは滝の真下まで歩いて行く。手すりや綱などは一切ないので、ウォーターシューズだけが頼りである。
岩には緑のツルツルしたコケが生えていて滑りやすく、水しぶきが大量にかかり、ほとんど目も開けていられない。
ガイドさんの手を頼りに、滝つぼの裏になんとか到着したが、自分がどこにいるか分からない。滝から流れる水が体に当たると、何かに殴られているように痛い。しかし笑いが止まらないほど面白い。日本だったら間違いなく立ち入り禁止区域になっているだろう。
岩からのジャンプも楽しみ、全員怪我もなく無事に戻って来られた。



 帰る途中
、ジョジョア湖へ立ち寄った。ここはたくさんの種類の鳥が見られることでも有名で宿泊施設もあり観光スポットにもなっている。静かな湖にたくさんの鳥の鳴き声がこだまする。ボートも出ていて、近くの離れ島まで行くこともできるが、今日はたまたま運転手さんが外出中でいなかった。

 ホンジュラスの美しい自然に触れる度に、これまでの危険で暴力的なイメージが嘘のように消えていく。
何を見るかは、いつでもその人の心が決めるのだ。




ERIKO