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家族の朝は早い。5時にはみんな起床し、支度をして出かける。アニーさんはみんなが出かけた後、掃除や洗濯を始める。
昨日からまた断水になったので、貯水してある巨大なタンクから水を運びそれぞれシャワーを浴びる。
エルサルバドル人の週労働時間は44時間。残業も多く、完全な休みは日曜日しかない。日本の土日休みが羨ましいと思われるほどよく働き、中米の日本と呼ばれる訳もなんとなく分かるような気もする。
先日、日本現代アート展でお会いした、在エルサルバドル日本国大使館 峯村保雄大使が昼食会に招いて下さった。峯村大使はラテンアメリカでのご勤務は初めてなのだそうだが、親日家の多いエルサルバドルで、日本とエルサルバドルの繋がりを強く感じ、とても住みやすい国だと話して下さった。
大使は中東やアジア、ヨーロッパ、北米など幅広い国での勤務を経験された方で、エルサルバドルの国の話しはもちろん、他の国での経験も話して下さり、大変勉強になった。世界には知らないことだらけで、違う土地なのに共通していることもたくさんある。
エルサルバドルと日本の関係は古く、中米で最初にスポーツ分野を通じてJAICAボランティア派遣が入った国で、2013年にはマラソンランナーの高橋尚子さんも訪問している。内戦後の復興支援を進んで行い、エルサルバドル国際空港も日本の支援で建設された。現在も多方面に支援活動が続いており、東部を中心にラ・ウニオン港の開港や、貝の養殖、また明日には、北のチェララナンゴという山奥の村で水路の開通式典が行われる。
大使がこれまでされた経験と私のとでは月とスッポンの差だが、謙虚に私の話しにも興味を持って聞いて下さった。
本日はお忙しい中、本当にありがとうございました。
藍染めのワンピースを身につけたJAICAボランティアの三觜先生が教室で出迎えてくれ、クラスを紹介してくれた。
上級クラスには2名の生徒さんが学んでおり、そのうちの一人、成績優秀者のフランシスコ君は、今年ジャパン・ファンデーションを通じて2週間、日本へ研修に出かけるのだそうだ。
日本語コースの生徒は全部で70名。12才~大人まで様々年齢層が通っている。授業を行う先生5名は全員エルサルバドル人で、授業は日本語で行われている。生徒さんは、まるで日本人かのように照れ屋さんが多かったが、日本語とスペイン語で言語や日本、生活の話しなどをした。
生徒さん達の日本語を学ぶきっかけで多かったのは日本の文化が好きだからというのが圧倒的だった。
また最近、エルサルバドルではK-popや韓国ドラマの人気で、韓国語を始める人達も最近多いのだそう。日本語を学習している生徒さんと交流すると、その国が持つ日本に対するイメージや思いが浮き彫りになる。
三觜先生が校門前まで送って下さり、『では、私ここから近いので』と、夜道の中を逞しく歩いて行った。
エルサルバドルは世界でも殺人率が高いことで有名だが、今の所どこに行ってもカラカスで感じたような背中がゾクゾクするような治安が悪い感じはしない。三觜先生を含め、今日まで出会った日本人はエルサルバドルが大好きである。