サンタ・アナ大聖堂


5/12

 朝起きると、目眩が激しく体調が優れない。今日は楽しみにしていたイサルコ山に登る予定だったが、急遽登山は断念することになった。体調不良の原因は分からない。昼まで休み、イサルコの姿だけは見ておこうと国立公園へ向かった。

 途中、サンサルバドルに続く第二の町、サンタ・アナに立ち寄った。首都から
64km西に位置するサンタ・アナは、植民地時代のコロニアルな建物が見られる。1528年に統治される以前は、マヤ人、ピピル人が居住していた場所である。
ゴシック調の豪華な大聖堂は祭壇までの距離が非常に長く、奥行きがあり美しい。




                                                                                クアテペケ湖                

 アパサネ山脈にあるイサルコ火山はサン・テグジュペリの代表作である“星の王子さま”のモデルになった火山である。話しの中に出てくるバラは彼の妻であるコンスエロと言われ、この火山のあるソンソナテ県が彼女の故郷である。彼の他の作品“夜間飛行”もコンスエロへのラブレターであると言われている。制作意欲の元であった彼女の故郷であるエルサルバドルの風景を彼は作品の中に投影している。



                  イサルコ火山



 彼の作品だけではなく、イサルコ火山の麓は先住民たちにとっての聖地となっている場所でもある。
雨期の始まりともあり、空は白く濁っていて景色はクリアーに見えない。
山へ向かう途中、晴れていれば真っ青に見えるというクアテペケ湖を通り、国立公園へ到着した。下山する人達と逆の方向に公園内を進む。
登山口に着くと、イサルコにかかった雲が風に流され、急な斜面とギザギザとした火口の絵本そっくりの形をした山が姿を見せた。
私の夢が一つ叶った瞬間でもあった。

 夕方はさらに西へ進み、リベルタ県にあるエル・トゥンコ海岸へ。
ここはサーフィンのメッカで、外国人やサーファーなどで賑わっている。数ヶ月泊まり込みでサーフィンを習う人もいるようで、小学生くらい子から大人まで、日が沈むまでサーフィンを楽しんでいた。




                                                     エル・トゥンコ海岸


 多くのエルサルバドル人は、日曜日にPlanes de Renderosへププーサを食べに行くのがお決まりらしい。ププセリア(ププーサの店)が立ち並ぶ屋台はどこも満席。この場所は国内でも2番目に美味しいププーサが食べられる場所としても有名らしい。焼きたてでトロッとしたチーズが香ばしい。
レストランから見えるサンサルバドルの夜景を眺めながら、素敵な1日を終えた。


                    ププーサ  

ERIKO