
レオン・ビエホの遺跡
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私が使用させてもらっている部屋はカーテン一枚で外と仕切られており、昨晩は夜間工事の音に番犬のカフェがワンワンと鳴いて、眠りについたのは朝方の4時だった。
3日目にしてようやく家族も誰が誰で、誰が近所の人なのか分かるようになって来た。
『いつか外国人が来たら自分の国を紹介したいと思っていたんだ。その願いが叶って嬉しいよ』
普段はパナマに住んでいるホルヘさんがたまたまの休暇で母国のニカラグアに戻っていたタイミングでもあり、付きっきりで色々な場所を案内してくれる。5日にエル・サルバドルへ出発する予定だったが、あまりにも時間が足りないので1日出発をずらすことに決めた。
ニカラグア第二の首都、レオンを訪ねる。レオンへ向かう途中、小さな町や村を交互に通りすぎ、モモトンボ火山を眺めながらヒロア湖へ向かう。
標高1,280mのモモトンボ火山は美しいまでに左右対称の三角形をした山で、ニカラグアの象徴的なシンボルにもなっている。
モモトンボはナワトル語で“燃焼した大きな山頂”を意味し、ルベン・ダリオやビクトル・ウーゴなどの偉大な詩人達の作品にも大きな影響を与えた山である。
初めにレオン市が置かれたのは1524年。その当時は現在地から約30km離れた所にあったが、1610年にモモトンボ火山が噴火し大きな被害を受け、現在の場所に移った。当時あったマナグア湖の湖畔も火山灰で埋まってしまっている。わずかであるが遺跡が残っており、レオン・ビエホ遺跡という名で世界遺産に登録されている。
レオンにも、グアテマラ出身のディエゴ・ホセ・デ・ポレス・エスキベルによって設計された中米最大級の世界遺産、レオン大聖堂がある。アンティグア・グアテマラ・バロック様式と呼ばれるスペインとラテンアメリカ建築の融合で、耐震性を強めるため、塔は低く太く造られている。
町は石畳が残っている場所や瓦屋根の昔ながらの建物が建ち並び、情緒溢れる雰囲気である。聖堂の近くには、詩人のルベン・ダリオの家も残っている。
レオンから車で15分の所にある太平洋側のポレノヤ海岸へ到着した。水温は高く、波が高い。ニカラグアには多くのサーファーが訪れることでも知られている。最近は海より山へ行く方が多かったので日焼けが徐々に薄れてきていたのだが、今日でまたモレーナ(浅黒い人)に戻ってしまった。ニカラグアは入国前にほとんど情報が取得できなかったが、国内には訪れる場所がたくさんあり、個人的にはとても相性の良い国の一つである。
☆El plato del hoy 今日のご飯☆