カレタ・ティピカ デザインは雨や埃から守るために塗られるようになりました。


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 ニカラグアの受け入れ先が見つからず、コスタリカに留まっているが、今日やっと知人を通して滞在先が決まった。見つからなかったら一人で国内を旅しようかと思っていたが、ただの旅行ではニカラグアのことをよく知ることはできないし、本来の旅の主旨からずれてしまう。皆さんの協力のお陰で、コスタリカからを2日の朝に出発できる準備が整った。

 朝6時、アレハンドロに『ポアス火山に行かないか?』とドアを叩かれ、二つ返事で7時前に家を出発した。
ポアス火山はサン・ホセ市内から車で約2時間。今日はなぜだかどこもかしこも渋滞している。今週の金曜からオバマ大統領が訪問するそうだが、その日は空港も閉鎖され、交通機関も麻痺するだろうと話していた。

 高速道路を下りると、しばらく山道が続く。黒いイチゴのビニールハウスが山肌を覆っている。先日日本語教室の生徒さんが教えてくれた、コスタリカの伝統の牛車、
カレタ・ティピカも見ることができた。

 天気は快晴、このまま晴れていれば火口がばっちり見えるが、山頂の天気はいつも一瞬にして変わるので直前まで分からない。中央山脈にあるポアス火山は1828年、ドン・ミゲル・アルファロによって発見され、19711月にポアス国立公園として開園された。




      Sombrilla de Pobre(貧乏人の傘)と呼ばれる植物



 “ポアス”という言葉の由来は、プアス(現在のサンペドロ・デ・ポアス地区)から来たという説と、先住民族の名前、もしくは植物の名前から来たとも言われており、はっきりとしたことは分かっていない。
国立公園内の敷地面積は6506ha、一番高い場所の標高は2,708m。このポアス火山が有名なのは、間欠泉のクレーターとしては1320m、深さ320mと世界最大の大きさを誇り、クレーターには美しいエネラルドグリーンの湖が見られることである。
火口までのSombrilla de Pobre(貧乏人の傘)と呼ばれる道を進む。Sombrilla de Pobreはグンネラと呼ばれる植物で、傘のように人がすっぽり入ってしまうほどの大きな葉を持つことからそう呼ばれている。






 周囲は湿気の多い森に包まれていて、息を吸い込むと雨上がりの匂いがする。見晴し台からは、雲一つ被っていない火口が見えた。

『僕は昔旅行会社で勤務していて、ここには100回近く来たけど、こんなにキレイに火口が見えたのは生まれて初めてだよ』

 アレハンドロが大げさに言ってないことは、すぐに写真をお母さんのシニアさんに送っているのを見て分かった。湖からは煙がモクモクと吹き出しているが、硫黄の臭いは全くしない。

 火口の見晴し台から少し坂を上がると、ボトス湖にたどり着いた。雨水でできた湖は、もともと火山でできた火口なので、酸が含まれており、藻類や微生物はいるが、魚などは生息していない。水面が太陽光に反射して、水色がより一層鮮やかに見える。



                   ボトス湖


 帰りに寄ったエントランスにある博物館は、日本の援助で建てられたのもで、ポアス火山の歴史とともに日本の火山や災害復興のシステムなどについて紹介されている。

 家に着いて『朝の仕事は?』とお父さんのニコラさんと話しているのを聞いていると、アレハンドロはどうやら仕事の時間を変更し、早起きをしてポアスに連れて行ってくれたようだった。コスタリカ人は自分達の国にとても誇りを持っていて、お客さんにコスタリカでいい思い出を作って欲しいという思いが強い。
私が『わざわざありがとう』とお礼を言うと、『Importante es que estas contenta estar en Costa Rica』(大切なのはコスタリカで楽しんでもらうこと)と言った。
彼らの奉仕はきっと色んな形を伝って彼らに返ってくるだろう。




☆El plato del hoy  今日のご飯☆

             Tortilla con queso トルティーヤとチーズ
トウモロコシの香ばしい匂いとチーズと絡めて食べます。



ERIKO