
メトロ
2/22
昨晩はメデジンに来てから初めての雨が降った。雨音を聞きながら眠るのは不思議と落ち着く。今日はメデジン、そして1ヶ月に渡ったコロンビア滞在の最終日である。
本日案内してくれるのは、YAMAHAで働くフリアンさん。メトロのPoblado駅で待ち合わせをした。
メデジンはコロンビアで唯一メトロが通っている町で、人々にとっては一つの誇れる文化として存在している。
駅構内はゴミ一つ落ちておらず、落書きもない。飲食、喫煙も禁止されている。天井の高い電車内は広々としていて、携帯電話で話をする人も見かけなかった。人々がメトロをどれだけ大切にしているかが乗車しているだけで見て取れる。
メトロ・カブレから町を見下ろすと、洗濯物を干す女性にピッタリとくっついてしっぽを降る犬やおもちゃを抱えて家から飛び出す子供達の姿が見えた。
終点のサント・ドミンゴ駅を降りると、目の前にParque Arví(アルビ公園)の入り口がある。フリアンさんと自転車を借りてサイクリングをすることにした。標高は2,000mあり、少々肌寒かったが自転車をこぎ出すとすぐに体が温まった。見晴台まで散歩をし、綺麗な空気をたくさん吸って再びメトロ・カブレで下まで降りた。
Jardin Botanico(植物園)内のレストランで昼食を取る。今日は金曜日だからか、周りはほとんどの人達が魚を食べている。グレナダのフィッシュ・フライデーを思い出し懐かしく思った。
午後はParque Explora(エクスプローラー公園)を訪ねた。ここにはアマゾン水族館、プラネタリウム、映画館、恐竜博物館などが楽しめる場所で、ちょうどダーウィン展も行われていた。
ビルボードには“最も強い者が生き残こるのではく、最も賢い者が生き延びるでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である”とダーウィンの有名な言葉がのっている。アクティビティーに対して時間が少なすぎたため、早足でぐるっと見て回った。
『うちの家族がエリコさんにとても会いたがっているので是非来て下さい』
フリアンさんの誘いでお家へ招待してもらった。駅の近くに停めていたフリアンさんの車で自宅へ向かう。駐車場に停まっている車は見事にグレーばかりだ。『メデジンは車の色はグレーが人気なんだよ。僕もグレーにしているのは売る時に値段が下がらないからなんだ』
家は高級住宅地にあり、家に入ると若い奥さんのビビアンさんと息子達2人が出迎えてくれた。最初は恥ずかしそうにしていたが、5分も経つと部屋のおもちゃを紹介してくれたり、サッカーをしようとはしゃぎだした。
色んな家の子供に出会ってきたが、人とのコミュニケーションをよくとれる子供は大体ゲームやi padなどの使用を親がしっかりしつけている場合が多い。フリアンさんもそのあたりは大分気を使っているようだった。
ワインをごちそうになり、近くのレストランでモンドンゴというコロンビア料理をごちそうになった。
『エリコさん、いつでも私達の家はエリコさんの家ですから。また戻って来て下さい』
1日だけだったが、フリアンさん一家との時間は私にとって中身の詰まった忘れがたいものとなった。
ボディーガードのフアンさんの運転でリオネグロへ戻る。疲れていたのか、気がついたら車のドアが開いて手が差し伸べられていた。
当たり前にように今日が終わっていくが、私にとってはコロンビア滞在が終わるという特別な日である。
モンドンゴ はちのすと野菜が入ったスープ。アボガドとバナナ、ご飯と一緒に食べる。
コロンビア滞在に際し全面的にご協力頂きました、駐日コロンビア パトリシア・カルデナス大使を始めとする、駐日コロンビア大使館の皆様に心より感謝申し上げます。今後、日本とコロンビアの友好関係が益々発展していくことを祈念いたします。
ERIKO