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 日本に住む私の友人、七洋さんからコロンビアに住むクリスティーナさんへの手紙を預かったのは、私が旅に出る直前の約10ヶ月前。5月に滞在していたチリでも彼女の友達へ手紙を渡すミッションをさせてもらった。
今回は
Nancy(七洋)がイギリスへ留学していた時に出会った、クリスティーナさんへ手紙を渡す。

 クリスティーナさんに連絡を取ると、彼女は現在メキシコで働いておりボゴタにはいなかった。その代わりに彼女のお母さんのエルサさんと会うことになった。
家から離れているのも関わらず、エルサさんは私が滞在している家の近くのショッピングセンター・ガレリアまで来てくれることになり、店の前で待ち合わせをした。眼鏡をかけた小柄でとても謙虚な方だった。
『私の方が年下なので敬語で話して下さい』
そう言ったが、結局彼女は最後まで私と
Usted(敬語)で話した。
近くのドンキー・ドーナツへ入った。肌寒いのにエルサさんは氷の入ったジュースを注文した。
『娘がいつもナヒロとの思い出を話してしてますよ。
2人はロンドンでとっても仲が良くなりいつも一緒にいたと聞いてます。ナヒロと友達にコロンビアで会えるなんてとっても嬉しいです』
Nancyからクリスティーナとは違うクラスだったが、イタリア旅行に出かけた時一緒のグループで出会い、ホテルなどの手配を全て行ってくれたこと、パリへの旅行を計画していた時に震災が起こり、気持ちが落ち込んで旅行をキャンセルしようと思っていた時に、『日本からだとなかなか行けないし、きっと家族も旅行を望んでいるよ』と真剣に向き合ってくれて旅行を決めたこと、決行したパリの貧乏旅行で夜中に到着し、中心街から離れた暗い雰囲気の地域で外に出れず食べ物もなく、4人で1個のベーグルを分け合ったことなどを話してくれた。

 何年か経った今、こうして本人には会えなくとも
Nancyの手紙をクリスティーナのお母さんに渡すことができたことをとても嬉しく思う。Nancyはクリスティーナと離れた後も、彼女と接したことで感じた、物事に明るい部分を見ること、笑顔でいることは今のNancyの人生で大切なこととして生き続けている。
遠く離れているからこそ、人の心と心は相手の美しい部分を浮き彫りにさせ、より近づかせるのかもしれない。

 

Nancy

 手紙を預かってから300日以上、Nancyの大切な友達クリスティーナの住むコロンビアのボゴタへ着きました。
16カ国、私もこの手紙と一緒に様々な場所を旅して来ました。今日はやっとこの手紙を届ける相手にたどり着きました。
クリスティーナさんは彼女の夢であった、フェレロというチョコレート会社でサイコロジストとして働いていて、今はメキシコにいるそうです。とても親切なお母さんのエルサさんが手紙を預かってくれるということで、会ってきました。クリスティーナさんは家族に
Nancyのことを大切な友達としてよく話をしているそうで、Nancyの色んなことを知ってました。
『今度は是非
Nancyとコロンビアへ来てね!』とのことです。
手紙のお礼にコロンビアの美味しいコーヒーと彼女が働いているフェレロのチョコレートを預かりました。楽しみにしていて下さい。私も素敵な方に出会えてとても嬉しかったです。手紙預けてくれてありがとう。




                エルサさんと




Nancyへと預かったコロンビアコーヒーと彼女が働くフェレロのチョコレート

ERIKO