
1/11
昨日西尾さんと出会った後、午後は家族のティムさんが会長を務めているCiti hope fundación internacional(シティー ホープ ファンデーション インターナショナル)の12 día de navidad(12日のクリスマス)というイベントのお手伝いをさせてもらった。貧困街に住む子供達に少し遅いクリスマスパーティーを開催するというものだ。
ちなみに余談だが、Navidad(クリスマス)とおいう言葉は、コロンブスが第一回目の航海の際にハイチの北東部で座礁し、ドミニカのプエルト・プラタで不安な日々を過ごしたのがクリスマス前後だったことからNavidadと言われるようになったと言われているそうだ。
場所はArroyo Hongoという地区にあるマクドナルド。そこに3台のワゴンに別れて来た60名の子供達が集まった。
車から降りて来る子供達の表情はこわばって、プレイルームに入ってもみんなおとなしく座っていた。子供達に声をかけても初めて見る外国人の私にはなかなか笑顔を返してはもらえなかった。
スペイン語でNiño buzon (潜る子供)と呼ばれている子供達は普段、ゴミの集積所のゴミ山で食べ物や生活に必要なものをあさって暮らしている。
小さな子供の細い腕には、雑菌が入って化膿した跡が残っていた。
彼らの親は“学校に行ける健康な体があるなら、ゴミ山から食料を取って来て欲しい”と子供達を働かせている。
シティーホープは、その子供達に教育を受ける機会を与え、様々なイベントを行っている。
初めはおとなしかった子供達も、ゲームが始まると途端に元気になって走ったり、踊り始めたりした。ラテンの血が流れる彼らのダンスの腰の動きは骨がないかのように柔らかく動く。
昼食に出たハンバーガーは生まれて初めて食べる子供達もいて、隣の子を見ながら見よう見まねで口に運んでいる。サンタクロースが登場すると、『あれは一体なんなんだ?』というような顔できょとんとしている子達も大勢いた。
学校へ行けない多くの子供達は、私達が子供の頃自然に本やテレビから知ることになるサンタの存在を知らないのだ。しかしサンタがプレゼントをくれる人なんだと分かると、みんなサンタが好きになったようで、飛びついたりしていた。
タニーの家族はボランティアで協力しているのだが、随分と前から準備をしたり手伝いをする様子を見ていて、彼らが誰かのために働きかけるエネルギーは心打たれるものがあった。
子供達が実際にどのような生活を送っているかを見ることはできなかったし、今回のイベントが彼らを助けるためのほんのつかの間の解決策だったかもしれないけど、このひとときをみんなで笑って過ごせたことはきっと心のどこかに残るだろう。
帰りは『Ciao! Gracias flaca!』(ありがとう、またねお姉ちゃん!)と挨拶してくれた。
初日にお世話になったアレックスさんのタクシーに揺られて空港に到着した。日数が足りなくて電話のみの交流になってしまった人もたくさんいたが、彼らは最後まで自分に何かできることはないかといつでも気にしてくれ、良い体験ができたというと一緒に喜んでくれた。
そして『私たちドミニカ人は心を精一杯与える人種だから。まあ、それしかないんだけどね、ははは』と続けるのだった。
人との絆にお金以上の価値を置くドミニカ人達からたくさんの心の栄養をもらって、今日15カ国目のキューバの首都ハバナへ到着した。
ERIKO
※記事は1月22日の投稿ですが、書いた日付に合わせています。
※記事は1月22日の投稿ですが、書いた日付に合わせています。