黄色がトウモロコシの粉で作ったクク



 近所に住む87才のおばあちゃんが、CUCU(クク)というバルバドスの伝統料理を作ってくれることになった。ククはバルバドスの一般的な家庭料理で家によって味は様々。結婚した女性が男性方の家庭に入るとき、ククが上手に作れるかということが嫁ぎ先で受け入れられるかどうかの大きな決め手となるそう。
主な材料はトウモロコシの粉。これにハーブやオクラなどを合わせて煮込む。粘着力のあるククをかき混ぜるときはとても体力がいる。
手足の細いおばあちゃんが以外にも力があることに、これまで家族の食事を守ってきた力量を感じられずにはいられなかった。ククに特性のソースをかけ、付け合わせにトビウオの唐揚げとタラの塩づけを添えて頂いた。
南米で当たり前のように食べていたトウモロコシの味だったので、とても懐かしい味がした。食感はマッシュポテトを濃縮したような感じである。




                ヒルトンホテルからの眺め



 6日間のバルバドス滞在もあっという間に今日で最終日となった。
『絶対にあそこからの景色を見て欲しい!』という、知人からの勧めもありヒルトンホテルへ出向いた。
もはや言葉では形容できないブルーのカリブ海が広がっている。
昨日見た大西洋の海とは違って、穏やかで配色も豊かだ。帰りはブリッジ・タウンを見納めし、夕立が止む頃家に着いた。バルバドスに来てカリブの印象ががらりと変わった。海だけでなく、木や土や風に生命力を感じた。
自然が生きているとはこういう感覚で伝わってくるのかということを教わったような気がする。
サトウキビ畑の田舎道を走っていると、拓けた草原に赤い家がポツンと建っている。まるでアルプスにでもいるような景色にカリブにいることさえ忘れてしまう。道路を左右からアーチのごとくしならせる木々が風に揺れると我々人間の気持ちも揺さぶられるのだ。
明日からはまた新しい景色や匂い、言葉、音たちが待っている。

バルバドスへどうしても行って欲しい!と説得してくれた知人に感謝して。

ERIKO