
プーノ観光最後の締めくくりは、プレインカ~インカ時代にかけて作られたお墓、Sillustani(シルスタニ)遺跡を訪ねた。
アンデスの神、コンドル、プーマ、蛇の、3つの入り口があり、扉の役目を果たしていたアヤワシと呼ばれる岩には、それらの動物の模様が刻まれている。
積み上げられた墓石は、チュルパと呼ばれている。
標高4000mの一番高い丘の上まで行くと、ガイドがパチャママを見せてやると言って、私たちに1分間下を向いて歩かせた。
『頭をあげて』と言われ、顔をあげると、藍色のウマヨ湖にぽっかりと浮かんだ、テーブルのような島が目に飛び込んできた。
まさに絶景というのにふさわしい景色である。
しばらく岩に座って景色を眺めていたが、体の中からそこはかとないエネルギーが湧いて来るような不思議な体験をした。
チチカカ湖はどこから眺めるかによって様々な顔を持つ湖であると、改めて感じた。
昨日で観光を終了させ、今日は友人のお母さん、エレナさんが誘ってくれた、地元のサン・フアン学校でのイベントを見学しに行った。
6月15日の今日は父の日で、たくさんの父兄が見守る中、小さな運動場のような場所で、生徒達がそれぞれに踊ったり、出し物をしたりしていた。
エレナさんは、このイベントで出店のお手伝いをしていた。
彼女は売っていた焼き肉をごちそうしてくれた。
『手で食べると美味しいわよ』という彼女の勧めの通り、一枚の大きな肉を手でちぎりながら食べた。
牛の背中の肉はとても弾力があり、焼き肉のタレで焼いたような味付けでとっても美味しかった。
夕方には、エレナさんが自宅に招待してくれ、ロンチェ(夕方の食事)をごちそうになった。
彼女はプーノで長い間、学校の先生として働き、退職してからアレキパの街に移住した。
しばらくすると、彼女の友達が家を訪ね、歓迎をしてくれた。
訪ねてくる人達はみんなケチュア語を話し、プーノの文化についてたくさん聞かせてくれた。
なかでも興味深かったのは、街の中心にある、Plaza de Armas広場は、カテドラルを境に北はケチュアの文化、南はアイマラの文化に分かれているということだった。
チチカカ湖周辺に栄えた文化の話は奥が深くておもしろい。
彼らは自分たちの気持ちを、より鮮明に表現出来るのはケチュア語なのだと、口を揃えて語った。
彼らがうんと気持ちを込めて素晴らしいというケチュア語を理解出来たら、どんな気持ちになるだろうと想像を膨らませた。
お互いに自分たちの国や生活、人生について話しをながら、その土地で生きている人達と接することが、唯一彼らの生き方を自らの体で感じることができる方法であると思った。
明日は、アレキパへ移動する。
ERIKO