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マリアの弁護士事務所で働く弁護士の人達は、全員日系人である。
私の入って来る姿が見えると、みんなとても歓迎してくれる。
今日はパンケーキまでごちそうになり、事務所を出る時には、『次はいつ来るの?』と私が来るのを楽しみにしてくれているようだった。
午後は在ペルー日本大使館を訪問し、ペルー国内の安全情報や、今後の旅の予定などについて話した。
日本大使館というのは、どの国でも同じような雰囲気に仕立ててあるのか、毎回訪問する度につくづく似ているなと思う。
公使参事官の今井さんからも厚い歓迎を受け、日本と中南米の関わりについてのお話を聞かせて頂いた。
大使館の帰り道、リマで毎日お世話になっているホセがサブディレクターを努める、“Clinica centenario Peruano Japonesa”(日本・ペルークリニック)を見学させてもらった。
入り口の受付では、ハッピを着た女性が明るい笑顔で患者さんたちを出迎えていた。病院の内装は赤を基調としたもので、元気が出てきそうな空間である。
ペルーには大きな日系社会が存在していることもあり、国内には日本の寄付によって支えられているたくさんの施設がある。
これも、日本が戦後間もない頃、中南米をはじめとする多くの国からの支援を頂いたお陰で、現在の日本となるまでになり、今、恩返しをしているのだ。
病院のエレベーターにはODAマーク(政府開発援助)が付いており、受付のある1階にはPanasonicや、トヨタをはじめとする日本企業の名前が並んでいた。
病院内で患者さんにすれ違うと、みんな目を合わせて挨拶してくれた。
私はふと、自国の病院内で、外国人にすれ違ったら同じことが出来るかと想像しながら、病院を後にした。
日本を離れてから、日本のことについてたくさんのことを学んでいる。
そしていつも感じることは、お互いに助け合うという、“相互支援”。
なにも国と国という大きな枠でなくとも、私たちは普段から、友達、仕事仲間、近所の人など、すべての人と支え合いながら生きていくことを選択することができる。
人間は、人と人との関わりを通して、学び、感動し、感謝するのだと思う。最も神聖で美しいものは、いつも人と人との間にあると、私は思う。

ホセ一家と“Parque de la Reserva”にて