朝起きてキッチンへ行くと、『朝、子供達がうるさくなかった?』とマリアが気を使ってくれたが、完全に熟睡していたようで何も気づかなかった。朝は子供達を学校へ送り出すまで家中がハチャメチャになるらしい。
そう話す彼女は4人も子供がいるのに全く生活感がない。
11時頃、車で町の中心部へ連れ出してくれた。私が滞在している地区はLa Molinaという郊外で、町へ出るまでに車で最低でも1時間弱かかる。
彼女の仕事の用を済ませるため銀行へ行き、その後マーケットへ買い物に出かけた。
フルーツ売り場の前で立ち止まると、マリアは丁寧にフルーツの種類を説明してくれ、お店のおじさんに味見させてくれるように頼んだ。
初めて食べるものばかりだったが、特に杏はビックリするほど美味だった。
私を担当してくれた美容師さんは、色もカットも私がイメージしていた通りにしてくれた。メイクまでしてくれて、久しぶりに女に戻った気がした。
Fernandoさんに連れられて、『Perú Shimpo』という日系人向けの新聞の取材を受けた。ペルー日系人達の連携の強さと行動の早さには驚きである。
日本人のペルー移民の歴史はボリビアより古く、今年で113周年を迎え、一番若い世代の人達は、現在日系5世にあたる。ペルーに住む日系人口は今や10万人を超すとも言われている。
たくさんの日本人が移民で渡ったラテンアメリカは日本から最も遠く、関係が最も近い場所なのだ。皆さんのお陰で、ペルー初日から大変充実した1日を過ごせた。
彼女は勤務先である弁護士事務所を紹介してくれた。準備を済ませると、2つの電話の受話器を両耳に当て仕事を始めた。
『問題を抱えて来る人達を助けることに生き甲斐を感じている』
と話していた。
お昼過ぎ、Fernandoさんのアテンドで、『Prensa NIKKEI』新聞と『Informativo AELU』という会報誌の取材を受けた。
取材が終わったその足で、日系人の学校“Colegio La Union”を訪問させてもらった。全校生徒98人。
この学校は日本の寄付で建てられ、ペルーの大統領、オジャンタ・ウマラの出身校でもある。学校の先生方が丁寧に校内を案内して下さった。
小さいイスと机が並ぶ1年生の教室へ入ると、みんなが元気よく挨拶してくれ、日本語で“チーリップ”や“上を向いて歩こう”を歌って歓迎してくれた。
続いて図書室、美術室を見学させてもらった。
どの教室に入っても、生徒さん達は好奇心と元気に溢れ、教室内は日が射したように明るかった。
日本語のクラスは年齢問わずレベル別に分けられていて、日本でも見たことのない、最新の電子式のホワイトボードで読み書きを練習していた
。学生時代、私にとっての学校は、1分でも長く居たくない場所だったが、こんなに楽しそうだったら喜んで通っていたかもしれないと思った。
知らないことを知っていくという小さな活動はいずれその一つ一つが大きな束となり、自分自身を新たな道へ導いていく。
Colegio La Nacion の皆さん、今日は本当にありがとうございました!
昨日受けた『Perú Shimpo』の記事です。